※1章のあらすじ および 登場人物
1章をお読みいただいた方は、飛ばしていただいてもかまいません
~1章のあらすじ~
異世界に飛ばされ、世界を救う旅を終えた元女子高生『春日 月子』と『日吉 七実』。
目的は果たしたものの、二度と生まれ育った日本に戻ることはできないとわかった彼女たちは、うっかりつぶやいた「おいしいものたべたい」に引っ張られこの世界で料理店をはじめる。
すわ知識チートでウハウハだとはじめたお店は、開店当初こそ上手くいっていたもののあれよあれよと客足が遠のき、あっという間に閑古鳥の養殖場と化す。
追い詰められた二人の元にやってきたのは、共に異世界に飛ばされ旅をした三十路男『伊勢 五十鈴』。
なんとかしてよと泣きつくと、何とかしましょうと男意気。
「マジすか伊勢さん、流石っす」
「マジリスペクト。んで、実際どうすんの?」
「とりあえずこの店つぶそっか」
「「あるぇ?」」
とはいえそうするのが唯一の生きる道と言われたら納得するしかなかったのです。
いろいろ葛藤もしたけれど、わたし達は今日も元気です。
○主要人物
『春日 月子』 調理担当
4月26日生まれ 召還当時 16歳
『日吉 七実』 接客担当
10月25日生まれ 召還当時 15歳
『伊勢 五十鈴』 いろいろ担当
2月10日生まれ 召還当時 28歳
○脇役
・アロルド=ブランク
飲食店協会副会長 12月5日生まれ 初登場 48歳
身長187cm 体重82Kg (地球換算)
早くに両親をなくし孤児院で育ったアロルドは「兄弟たちにお腹いっぱいのご飯を食べさせたい」と13歳で調理師の道を志す。王都で一番と名高い「ル・マデュール」に入店を希望するも、紹介状も無い子ども故に門前払いを食らい続ける。およそ1ヶ月にわたり、早朝は店の前の掃除を勝手にし閉店まで厨房の勝手口で座り込み。更に若手の従業員に頼み込みごみ捨てや皿洗いをさせてもらいつつ店の味を覚えると言う彼の情熱にほだされ、ついに入店を果たす。
その後27歳で独立するが、それまでの前3年は副料理長として厨房を仕切る。当時の料理長との二人体制は『ル・マデュールの黄金の3年』としていまだ名高い。
独立後は同じ王都に「リストランテ・アンネッテ」を開くが、古巣とは互いに助っ人を送るなど良好なライバルとして関係を結ぶ。その後、彼が41歳になるまでオーナーシェフとして超優良店の評価を守り続ける。
引退の理由は語られていないが、あとを継いだ娘婿には店の名を変えさせた事などから、18歳の頃から彼を支え続けた妻との死別が原因であったのではないかと推測される。今も彼が毎月のごとく墓参りを欠かさぬ妻の墓碑銘には「我が愛 アンネッテ=ブランク」と記されている。
現在は王都飲食店協会の副会長として、後進の育成に多忙な日々を送っている彼の座右の銘は『日々の地道な積み重ねは 自分を裏切らない』である。
ついカッとなってやった はんせいはしていない