エピローグ
読んでくれる人があなた一人でもいるなら、それで私は幸せです。
## エピローグ
私は人が怖い。
人間を信じることができなかった。
苦しかった、
息さえできなかった日々だった。
でも、彼女が、
沙芽が――
私に光をくれた。
私のすべての苦しみと、傷と、
言葉にならない孤独までも。
彼女は静かに来て
それらすべてを奪ってくれた。
彼女は私の部屋に入り、
すべてを持ち去った。
私の静けさ、私の過去、
私自身でさえ見捨てていた自分まで。
でもその代わりに、
彼女は残してくれた。
「私はあなたしか見ない」という確かな目を。
彼女のキャリーケースは今、空っぽだ。
その部屋にいっぱいに詰まった彼女の荷物の分だけ
私の心も、静かに満たされた。
私はまだ怖い。
人という存在は信じにくく、
この温かささえ消えてしまうのではないかと怖い。
それでも――
私は願う。
あなただけを見てくれる人、
あなただけを信じてくれる人、
世界のすべてよりもあなたを応援してくれる人――
そんな人が
いつかあなたの前に現れることを。
人に傷つけられたあなたに、
あなたを理解して、
あなたを癒してくれるただ一人の人が
必ずや現れると信じています。
一歩、一歩の勇気を持つことを願います。
その人はあなたを想う人だから。
**あなたの幸せを祈ります。**
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# 作者の言葉
『キャリーを持ってきた美女、私の話も全部聞いて部屋も奪った』を最後まで読んでくださり、心より感謝申し上げます。
ああ、作った本人だけど名前が長すぎる。
最初にタイトルを決めたとき、長すぎないか心配しましたが、
この長く正直なタイトルが作品の雰囲気と感情をよく表していると思います。
この作品は現代社会を背景に、
「人を信じることは難しく、心を開くことは簡単ではない現実」から始まりました。
人に傷つけられ、また人によって癒される――
それでも側に寄り添い、すべてを受け入れて
心の奥に隠していた本心を見せてくれる瞬間を描きたかったのです。
「癒し」「勇気」「関係」というキーワードを通して、
誰かを信じ、頼ることがどれだけ大きな勇気か、
その勇気がどのように人生を変えるかを静かに語ろうとしました。
そして…
本編が終わったからといって、すべての物語が終わったわけではありません。
彼女たちの本当の気持ち、
沙芽が言えなかった心の内、
レイカがなぜあの選択をしたのか――
本編では最後まで見せられなかった別の視点や告白が
外伝に収められています。
この作品のもうひとつの心臓、
『Side Zip Off – 渚川レイカ』編で
その裏側の物語を静かに、深く描きました。
誰かの物語の裏には、
いつも別の物語が隠れているものです。
最後まで一緒にいてくださった皆様に、
改めて深く感謝申し上げます。
この物語を見てきたすべての人に、
小さな光となりますように。
あなたのそばには
あなただけを応援してくれる人が必ずいます。
いないですか?
今は見えていないだけです。
いつもあなたの幸せを願っています。
- 作者より
次週予告
# キャリーケース美女:
Side Zip Off 外伝 #1:渚落玲花
— もう一人の物語
— 私たちが知らない過去、
彼女は今、何を見つめていたのだろうか。




