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2. 夜の訪問者

ご覧いただきありがとうございます!

今回は、美人との同居が始まった直後のお話になります。

2. 夜の訪問者


トンッ—


彼女の手だった。


「なぜ…なぜダメなの?」


彼女が無理やり戸の隙間に頭を入れて尋ねた。

慌てた俺は全身に鳥肌が立ち、ドアノブを握った。


「なぜ、俺にそんなことをするんだ?」

「それは…!」


彼女の目が揺れた。


「ただ…あなたであってほしかっただけ…」

「やめろ!やめろって言ってるだろ!!」


思わず叫んだ。


静寂。


彼女はもうドアを引かなかった。

ただ静かに、ドアの前に座った。

膝に顔をうずめて。

微動だにしなかった。


俺はドアに背をもたれ、息を荒くした。

指先が震え、額に冷や汗が流れた。

狂ってるのかもしれない…


女は信じられない。


近づくだけで全身が緊張し、過去の悪夢がよみがえった。

しかし…

ドアの向こうから感じる胸の詰まる気配。


…こんな子を、

こんな時間に、

こんな路地に置いて寝かせるのか?

心はずっと不安だった。

真夜中に?

女だからといって…いや、女だからこそ怖いのに…

それでも…俺までこんなになったら、それはちょっと…

俺はゆっくりとドアを開けた。


「はあ…入れ。」


小さく口を開いた。

彼女は顔を上げ、目を丸くした。


「…本当ですか?」

「周囲に迷惑だ。」


俺は指を立てて言った。


「代わりに触るな。近寄るな。」


彼女は大きく笑った。


「…ありがとう。」


彼女は慎重に巨大なキャリーケースを苦労して運び入れた。

玄関で靴を脱いでいる時、俺は無意識に彼女のキャリーケースを持とうとした。

重そうだな。持ってやろうか…

しかし──


ひくっ!


体が縮んだ。


持っただけで腕がぐらついた。


「…これ、中に人が入ってるのか?!」


はあはあ…


俺が苦労して部屋にキャリーケースを置いた後、彼女は部屋を見回し始めた。

部屋はワンルームにしてはかなり広かった。

両親が「機械科は徹夜が多い」と気を遣って作ってくれた空間だ。

しかし、一人で使うには十分すぎる広さで、

二人で使うには、どこか息苦しく狭かった。


台所が半分仕切られた構造、

片方の壁にはパソコン机と鉄製の引き出し、

そして反対側には

ギシギシ軋む鉄製フレームの低いベッドが一つ。

白い壁、床、家具まで全て無彩色。

整頓されているようだが、冷たく乾いた空間。

ちょうど女に嫌われるのにぴったりな部屋。


その中で唯一、色が生きている場所があった。

俺のベッドの隣、

横1m、縦2mの白い飾り棚。

その中には—

原色の髪と誇張された身体の比率を持つキャラクターたち。

どれもギリギリで服がはだけていたり、

どこか奇妙な姿勢で座っていたりした。


「わあ…」


彼女は息を殺し、変態おじさんたちがパンツを覗くように下から見上げた。


「これは、芸術品ですか?」

「ただ…好きなだけだ。これは…俺だけの避難所みたいなものだ。」


言い訳のように言ったが、

彼女は自分の胸を見下ろし、意外にも淡々と頷いた。


「いいですね。」


短く言った彼女の視線がフィギュアから俺の顔に移った。

否定されなかったことに小さな喜びを感じた俺は恥ずかしくて顔を伏せた。


恥ずかしさを隠そうと、わざと話をそらした。


「こ...今夜だけだ!!」


そう、今夜だけ乗り切れば終わりだ。

明日こそ必ず追い出す。

断言したが、自分でもその言葉に確信はなかった。


彼女は少し口元を下げ、静かに無言でズボンを脱いだ。

ズボンを脱いだって!?


「—はっ!?」

ここまで読んでいただき感謝です。

次回から、彼女のペースに振り回される主人公の姿をお楽しみに!

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