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何度だってあの花火を  作者: コーマ11
14/22

鮭の塩焼きの作り方

私は朝早くに起きた。

修学旅行は早く起きて朝ごはんを食べるため、私たちも早く起きて作らなければいけなかった。

「ふわぁ〜」

とあくびをしていると後ろから、

「輪島! おはよう!」

と能登さんに声をかけられた。

「おっ、おはようございます!」

と返した。

「ちーすっ」

とチャラく適当な挨拶をしながら、厨房に小松も入ってきた。

能登さんが急に大声で、

「よし! やるか!」

と言った。

"金沢リゾート"の人たちも私も小松も一斉に返事をした。

私はキッチンの前に立って、構えた。

刺身は良かった。

練習で克服もしたし、割と最近作ったから。

だが、本番形式で鮭の塩焼きを作ったのは3週間ほど前、"金沢リゾート"の人たちも心配していると思う。

私は咄嗟に、

「安心して、私なら大丈夫!」

と小さな声で声をかけた。

それから私たちはあっという間に料理を完成させた。

その時小松はまだ料理を終わらせておらず、能登さんと同じタイミングだった。

すると能登さんが、

「お前ほんとに……」

と言ってニコッと笑った。

この後に何が続くのか、それは能登さんにしか分からないことだが、できない奴だなぁ、だとか、馬鹿だなぁ、とか私を下げるような言葉ではないことは確信していた。

そして明誠荘の大変な時間が終わった。

今日の夜は打ち上げがある。

だから今日の夜と明日、明後日は予約がない。

私は厨房を出た。

「おつかれ、美香!」

と誰かから声をかけられる。

「あっ、女将さん! ありがとうございます!」

女将さんだ。

「大輔から聞いたよ。本当に成長したね」

「ありがとうございます!」

本当に時間がかかった。

認められるのは大変だ。

でもやっぱり認められていた。

努力は認められるんだ。

私は自分の部屋に戻って昼寝をしようとした。

「輪島パイセン」

と小さな声で後ろから声をかけられる。

「輪島先輩に料理を教えてほしいっす」

と彼は続けた。

あんたはどんだけ負けず嫌いなんだよ、小松。

「輪島先輩は能登さんの次に料理が上手い、俺の負け……」

とつぶやいたあとに彼は我に戻って、顔を真っ赤にして走って去っていった。

私は微笑んだ。

そして6時。

大宴会場に向かった。

あれ?なんか雰囲気が冷たい。

宴会場はざわざわしてるのに廊下ではコソコソと暗い顔でみんなが話している。

「小松! やっほー!」

と私は小松に声をかけた。

すると小松は、

「輪島先輩! 俺たち……」

と言った。

え?何を言っているの?

私は急いで大宴会場に入ろうとしたその時、後ろから、

「美香!」

と声がかかった。

振り向くとそこには暗い顔をした女将さんがいた。

「女将さん?」

と言って、私は首を傾げると女将さんはもう一度口を開いた。

「大輔が……今日の夕方、加賀市内で倒れているのが発見された」

2014年8月3日。

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