天才と天才
「悠! 久しぶりだなぁ! 席空いてるか?」
と能登さんが言う。
「カウンター座れよ。目の前で寿司でも握ってやる」
「りょーかい」
と会話が続いて私と能登さんはカウンター席に座る。
店内は賑わっておりお酒を飲んでいる人から子供までたくさんの年代の人たちがいた。
「大輔ー、久しぶりじゃねぇか。どうだ?明誠荘は」
と能登さんの友達が尋ねた。
明誠荘のことまで知っているならかなりの仲と判断できる。
「いい調子だよ。相変わらずあの2人は優しいし」
自分は女将さんと北介さんのことだと思った。
「あー、女将さんと北介さんねー。あの2人はほんとに優しいよな」
なぜこの人はこんなことまで知ってるのだろうか。
「しかもな! こいつだよこいつ!」
と言って能登さんは私の頭をガシッと掴む。
私はほっぺを赤くして下を見る。
能登さんは続けて、
「こいつ、俺の一番弟子。マジで料理上手いんだよ!」
と友達の人に向かって言った。
めちゃくちゃ嬉しかった。
「そうなのか? 嬢ちゃん、顔上げて?」
と能登さんの友達が私に言ったので私は顔を上げた。
「嬢ちゃん。大輔が一番弟子と認めるのは凄いことなんだ。胸張れよ」
と言ってくれた。
かっこよかった。
「俺の名前は七尾悠! ここ"魚助"の店主だ! 大輔とは高校からの中で大学も同じだよ」
と言って悠さんは私にマグロの寿司2巻をお皿に乗せて出した。
「これ、なんですか?」
「マグロの寿司だよっ! サービス!」
「ありがとうございます!」
すると能登さんは自分が作った料理かのように、自慢げに、
「食ってみな」
と言った。
私は箸を持って悠さんが握ったマグロの寿司を頬張った。
マグロの味と香りが一瞬にして広がった。
そしてそのあとすぐにシャリの食感と混じり合って寿司と言う完璧な料理が完成した。
私はすぐもう1巻を頬張る。
マグロの主張に負けないシャリの硬さ。
完璧だとしか言いようがなかった。
「美味しいです! ファンです! ファン!」
と私が言うと悠さんはニコッと笑った。
そのあと海鮮丼が2人前出された。
大きなエビにマグロ、サーモン、トロなど豪華な魚類がたくさん乗った海鮮丼だ。
私が気になっていたので尋ねる。
「悠さんは何で明誠荘にそんなに詳しいんですか?」
悠さんは答えてくれた。
「大学時代、俺と大輔は実習で、明誠荘で勉強させていただいていた。今は引退してしまった板前長の元でな。そしたらその板前長、俺と大輔のことすっげぇ気に入って、すぐに招待してくれたんだ。大輔はそこで夢を叶えた。俺は自分で店を経営するって言う夢があったから断ってしまったがな」
と言った。
「今でもたまに明誠荘には挨拶させてもらってるよ」
と続けて言った。
「へー、そうなんですか! 能登さんの友達でありライバルなんですね!」
「そうだよ」
ニコッと悠さんは答えてくれた。
すると能登さんは、
「俺の方が料理は上手いけどな! ただ魚料理に関しては勝ったと思ったことがない」
と語った。
そして能登さんと悠さんは握手をしてお別れをした。
私はまだまだ上がいると知らされて、旅館に帰ってから必死に料理をした。
そして決戦の時が迫っていた。
そしてもう1つ、明誠荘板前たちの誰も予想しな衝撃の結末も迫っていた。
2014年8月12日。