丸ちゃんって
丸ちゃんは四ヶ月経っても、母乳です。
鬼姑はもうやきもき。早くお手製の杏仁豆腐を食べさせたいみたい。でも、そうはいきません。だって赤ちゃんはそんなに早く成長する訳ありませんからね。仕方ない、仕方ない。
電話をする時も、鬼姑というよりダメダメです。
「照代、かけて」
と、蚊の鳴くような声で言うので、わたしが電話すると、
「じゃあ、米子ちゃんお母さんに変わるね」
と仲裁役はわたし。変わったとたんに鬼姑は、
「もしもし米子ちゃん。今度いつ会える?もう丸ちゃんは離乳食は食べられる?米子ちゃんは食べたいものある?」
とルンルンなのです。
そしてわたしに後で、
「今ね、丸ちゃんが後ろで笑っとったよ。かわいいね。かわいいね」
と、すっかり骨抜き状態です。
「お子さまランチ食べられるようになったら、ファミリーレストラン連れてこうね。丸だけ」
ホッホッホと高笑い。わたしとしては、みんな仲良くしたいところなんだけどな。
そして四ヶ月目ということで、米子ちゃんが丸ちゃんを連れて、また真四角家にやって来ました。
「首が据わったんじゃない?なんとなく足も伸びたような」
わたしの言葉に、米子ちゃんは、
「ピンポーン。首、据わりましたよ。足も本当に伸びたんです。だから、おねえちゃんも安心して、丸のこと抱っこしてやってください。ただし、九千グラムだからかなり重いですけどね。フフフ」
フフフは心の声。もしかして丸の声かも。
そして、抱かせてもらいました。本当重い、重すぎる。
ところが米子ちゃんはすごいんです。
その重い丸ちゃんを泣き止ませるために、たかいたかいをするんですから。
「丸のおかげで筋肉ついちゃった」
だって。うーん、丸ちゃん、ママに早く楽させてあげてね。