十分で出来る、短編作品の作り方
その方法とは、かつてあった名作を分解して、自分の要素を組み込んだパクリスペクト的な作品を作る事である。
では、実際にやってみよう。
分解する作品は走れメロス。
この作品はメロスと言う人の話を聞かない熱い男が、噂話を真に受けて、王様を批判して、処刑されそうになるけど、妹の結婚式に出たいが為に友人を人質にして、走って結婚式に出席して、走って帰る話である。
さて、分解はし終わった。
じゃあ自分の要素を加えていこう。
主人公の名前はエロスにしよう。
人の話を聞かない熱い男じゃなくて、女好きの熱い冒険者にしよう。
彼は世界で最も美しいと言うお姫様の噂を真に受けて、王城へ行く。
実際に会ってみると、世界で最もは言い過ぎだが、そこそこ美しい姫様に一目ぼれする。
王様にくれるように言ってみるが、断られた上に、不敬罪で投獄されそうになる。
エロスは投獄される前に、こう宣う。
「ドラゴンを倒してくるので、お姫様くだちゃい」
王様は答えた。
「いいよ、でも一週間後の夕刻までに帰って来ないと、他の人と結婚させちゃうからね」
許可も得たので、そこら辺を歩いていた友人を人質にして、エロスは走った。
走って、行きずりの女とねんごろになったけど、やっぱりお姫様とはセックスしたいので、やり捨てて、また走って、ドラゴンの元へ。
ドラゴンをやっつけたエロスは帰路を急ぐが、やり捨てた女が伝説の魔女だったため、嵐にあって迷ってしまう。
とりあえず、伝説の魔女をぶっ飛ばして、もっかいヤッて、彼は王城へ急ぐ。
王城では人質になっていた友人と姫様が結婚式を挙げようとしており、エロスはまったをかける。
ドラゴンを倒してきた証拠を見せつけて、彼は姫様を簒奪するのだった。
はい完成。
タイトルは滾れエロスである。
最早原型は無いが、そこそこ物語っぽい仕上がりになっているだろう。
これが、最も簡単な物語の作り方である。
とりあえず、有名な物語の流れを箇条書きにして、後は好き勝手に自分のやりたい事をぶっこむやり方だ。
短編ならこれでかけるだろう。
そして、私はこのエッセイを十分で書いた。
暇な時間を見つけて、ここまでできた。
作品を作る時間は、十分もかかっていないのが、驚きである。
こんな短時間で作られた設定の作品なんて、読めるのかと言う疑問があるだろうが、案外読める作品になる。
何せ勢いだけは十分だからだ。
ではでは、正直使いどころは微妙だと思うが、唐突に短編を書きたくなったら使ってみてほしい。