5、嵐の予感
すまん。話が進まない。話のテンポって難しい。
我に返った。緑さんはウンウン頷いているし、チビはジト目でこっちを見るし、居づらいです。何か話題を探さねば。
「所でジャン...さんのことを邪神呼ばわりしても良いのか?」
「問題ないだろう。初めは嫌がっていたが、途中からは戒めだとかで自ら呼ばせていた。」
「そうか。」
よかった。ジャンは俺が正義だとか言う手のつけられない馬鹿ではないようだ。あと、一応これも聞いておこう。
「もしかして、もしかするとだよ、此処ってニホンとかジャパンとか言う所じゃない?」
「ニホン?何それ?ここはすりーぷるーむ。邪神の下辺が眠る場所よ。」
「何を当たり前の事を。転生といったら同じ場所の過去か未来だろう。あっさり転生に納得した様だからそういう文化に詳しいと思っていたが...」
チビのことはさて置き、ここは日本で良さそうだ。サブカルチャーの流行りなんて変わりやすいものだしな。
「なるほど、僕の時代で転生といったら異世界だったから 。あまりにも日本らしくて気になったんだ。」
「えっ、あんたの時代の転生って別の世界に行けるの?」
「「転生物はフィクションです!」」
「あんた生き返ってるじゃない。」
「それは...」
「"ジャンへの"愛の力です!」
「...だそうです。」
いやね、よかったんだよ。この時代は転生当たり前とか色々怖いしね。そんな言い方は無いかなーと僕は少し思うの。
あと何か聞くことは、
ビターン!!
...場が固まった。なぜ乱入するのさゴブリンさんよ。
「イテテッ、ね、姉さん、奴らが攻めてきた!!」
「何!分かった。すぐに指揮に出よう。」
「戦?久々に腕が鳴るわね。」
いやはや、頼もしい女性陣だこと。
まだ聞きたいことあったのにな。
そういやチビもゴブリンなのね。道理で。
「場所は?」
「北の山からです。」
「すぐ行くわよ。」
「この時代の戦、楽しみだな。」
「行ってらっしゃい。気を付けて。」
「...は?あんたも行くのよ。」
「へ?マジで?」
腕を掴まれ問答無用で連れられて行く。戦って殺し合い、でしょ?素人連れていくとか正気かな。とりあえず死なない様に頑張ります。
次、いよいよ戦闘だよ!
予め言っておく。近接戦闘の描写は無理っぽいので悪しからず。