【第62話『決戦へ』】
【10/24(水)・15:25「横浜の山下公園・横浜海上保安船の停留場」】
山下公園の側にある、海上保安庁。偵察船や保安船等が停留する場所である。
ここは国が管理する土地で、部外者は立ち入り禁止区域となっていて、側の看板には【警告 関係者以外、この策を越える事を禁ずる】と、赤文字で警告を記すぐらい重要な場所だ。
驚く事に俺達は、その海上保安庁の土地に足を踏み入れていたみたいだ。
何で入れる……?ここは国が監視する特別な場所じゃないのか?
だが現に入れてる訳だ。戦いながら、少しずつ誘導されているようにも感じたが、誰にも止められないとは。
こいつら……何者なんだよ。
俺や九条は疑問な眼差しを向けていると、それに気付いたのか、生徒会長の天草がフッと小バカにした笑いを向け、話し掛けてくる。
その態度に多少はムカついたが、今は口争いをしてる場合でもなく、俺は仕方無く聞いてやる感全開の態度を向けて、聞いてやる。
「そないな怖い顔せんでも大丈夫やで? ここを選んだのは、誰にも邪魔されずゆっくりと戦り合えるからっちゅうことやし。まぁ、ここを使わせて貰える為に、ちょいと上のお偉いさん方に迷惑かけてしもうたが━━━」
そこまで言った所で、横で起立の姿勢で立っている時雨が天草の口を抑えだした。
「荘司、あまり理事会の事を話しちゃダメだろうが」
「ん? そうだったっけか?」
と、何やら一介の高校生とは思えない会話をしているが、つっこまないでおいた。
「ま!そういうことやから、心置き無く技とか使ってええんやで!」
「それは俺らもだがな!」
天草と時雨が構えた。
しかもその両手には武器が構えられている。時雨がやる気の無い顔なのはアレだが……
にしてもやはり、二人とも武器の構えにブレがない。相当の達人だな。流石は粛正委員会の役員だ。
にしても珍しい物を身に付けている。
時雨は、身の丈ほどもある長刀だ。確か物干竿と言う別名があるやつだ。
天草は天草で、珍しい獲物を携えていた。
日本最古から伝わる武器“薙刀”だ。
確か1392年~1603年の侍の時代、女武士が護身用として使ったと言われる別名“長巻”。
まぁ、元は太刀に柄を巻いて長くしたものが由来なんだけど、その分攻撃範囲と威力が高く、昔は甲冑ごと人間を叩き斬り、一振りで相手の腕を鎧の上から骨まで絶つ事が出来る強力な武器だ。
つうか九条にとっては、どっちとも分が悪い相手となるな。
ここで選ぶ選択肢は一対一の個人戦ではなく、二対二の共同戦に持ち込むことだ。
俺はこの作戦を九条に説明しようとしたが、日暮が前に出て物騒な長刀を構える。そしてその後ろでは、天草が薙刀を大きく腰構えていた。
くそ、駄目だ……! あの陣形は、とてもダブルスで来るような配置じゃない。
攻撃手段が変わってしまう……。いや、とにかく今は先制攻撃をして、期を狙うしかない!
「九条! 援護を頼む!」
「うん!早速行くわよ!「三対の矢」!」
ギギッ!と弓を引き、三本の矢を同時に射る。
なるほど、矢に気を取られた時雨に接近して、大技を決めて先に倒すと言う作戦か!
良いぞ、初めてにしては九条が矢を射るタイミングも、俺が飛び出すタイミングもバッチリだ!これで━━━
そこまで思った時点で、俺は驚愕する。
時雨は矢が直ぐ側まで迫って来てるのにも関わらず、背を低くしただけで矢に見抜きもせず俺に突っ込んでくる!?
「━━━っ!?(当たるぞ!)」
「まさか!?」
だが俺と九条は気付く。
時雨が背を低くしたその後方から、大きな一振りが、天草の薙刀が、ブォッと風を切りながら三本の矢を、時雨に当たる直前で斬り捨てる。
そして、時雨はその一連に気を取られている隙に、俺の間合いまで入られ、長刀で下段から上段へ斬りかかってくる。
かろうじて顔をかすめる程度で避けれたが、今のは危なかった。
「くっ!」
目蓋の辺りを斬られせいで、熱い液体が伝わって来るのが分かる。
妙にズキズキして、左目も開けにくいし……!
くそ……まずいな、シングルスかと思っていたが、コイツら……ダブルスをやり慣れてやがる…っ!
次回へ続く!!
どもども、焔伽 蒼です!
俺充に続いて、こちらは半年ぶりの更新です。ミラカタの第一部は後、数話なのでそこで一時完結させて頂きます。第二部はあります。しかし、他にも掛け持ちがあるので、そっちが終わるまでは再び休止します。
勝手ながらで申し訳ございません。今以上に雑な文章構成になっても宜しければ、休止しないのですが、流石にどうかなと思うので、強い要望がない限りは休止します。
ですが、こうして見てくださっている方もいますので、なるべく早い再開を心がけます。あ、だからといって、他を適当にやったりしないですよ!?汗
そ、それでha!




