【第60話『第五戦「桐谷啓吾vs一之瀬千晴」』】
【5月23日(土)・14時50分『横浜みなとみらい・山下公園・噴水近くの階段』】
「なんや、あないな小さい子に任してええんか?」
生徒会長及び粛正委員会委員長の天草は、狂犬・桐谷をまだ武術家として未熟な千晴に任したことを疑問に思っているのだろう。
だから光司は苦笑して言ってやる事にする。
「いいんだよ、千晴は俺が思ってたよりずっと強かった。あいつは成長している。俺は千晴を信じることにした!」
「そうかい。(兄妹の絆っちゅうわけか。)
ならアンタの相手は俺が引き受けるで!時雨、九条紗綾の方頼めるかいな?」
「任せろ。油断なく全力で戦う」
そういうと時雨は背中に担いでいた刀を取り出す。
「また武器か」
光司の言葉に、天草が返答する。
「まぁ元々俺らの武術は格闘やのうて武闘やからな。 しってたか?武闘ってのは、武器を持って闘うと言う意味なんやで」
「そうなの?」
今度は彩香が訪ねる。それを光司が答える。
「あぁ、他の国での意味だがな。それが日本に流用される時、意味をまとめて武器と徒手格技を総称して武闘と呼ばれるようになったんだ」
「そうなんだ……てことは、時雨も本来は武器を使うんじゃ……」
「そうなるな」
「話もそろそろええやろ? ほな、本気の勝負、しようや!」
天草は地面に置いてあったと思われる薙刀を取った。
「薙刀使いなの!?」
「武闘・天幻流“天草荘司”参る!!」
「格闘・八卦無天流“一之瀬光司”いざ勝負!」
「じゃあ僕らも始めようか?」
「……そうね」
ここに最終戦が幕を下ろされた。
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【桐谷vs千晴戦】
桐谷の蹴りが千晴に飛ぶ。
「渦形の原理」
千晴は両手を回転運動をさせて、飛んでくる蹴りを反らす。
「やるなァ!」
ギュルッ!
今度は桐谷の回し蹴りが放たれる。
「交歩」
千晴は右足を後ろに左足と交わるように下げる。
「配歩」
今度は交わった足を軸に体を回転させ、蹴りを交わしつつそのまま桐谷の懐に入り、両手で桐谷の蹴りを放った足の股を掴む。
「なにっ!?(こいつ、交わしただけじゃなく━━━!)」
「退覇掌歩」
ドンッ!
千晴は桐谷の足を掴んだまま、上体を桐谷の体に押し当てた。
その瞬間、桐谷の体が宙に浮き半回転して地面に倒れた。
「ぐっ!(バカな!この俺が年下の、しかも女に地面に倒された……っ!?) なんだ……その動きは!」
桐谷は倒れたまま足払いを噛ます。
「足転封位」
千晴は左足を軸に下体を半回転させて、桐谷の足払いが千晴の左足を払う前に回転で戻ってきた右足でしっかりと固定させた。
「なっ!?」
「逆流扇脚」
千晴は桐谷の足を固定したまま、半回転させた体を元に戻すために、逆半回転させた。
そうすると桐谷の足も引っ張られ、桐谷の体ごと半回転させて、地面から一回浮き上
がり再び地面に落とした。
ドサァッ!
「がっ!(まさかこの俺が手も足も出せないだと…!?) お前の武術はなんだ……!八卦無天流ではないな!」
「はい、八卦無天流ではありません。しかし私のは歴としたただの中国拳法です。ただ私の場合は中国拳法のほとんどをマスターしてますが」
「中国拳法……っ!?ふざけるな!」
桐谷はなぜだか怒りだした。
「それが中国拳法だと言うなら、お前は“基礎”のみで戦っていたってのか!?」
「気付きましたか、さっき私は中国拳法のほとんどをマスターしていると言いました。それは“技”をではありません。私がマスターしている中国拳法とは、“技”の土台となる“基礎”の全てを完全にマスターして、そのキレを極限まで高めた、と言う訳です」
「基礎を極めた……だと!?」
次回へ続く!!
更新できましたぁぁぁぁぁ!どもども、焔伽 蒼です!
最近投稿していなかったですから、出来たのは嬉しいですね!お待たせしちゃってすいません!投稿できなかった理由はアンノウンスキル12話後書きで述べました。
これからも同時進行頑張っていきます!三作品を!




