【第57話『三つ巴戦決着!!』】
【5月23日(土)・14時20分『横浜みなとみらい・山下公園・海辺沿い』】
弾丸のような勢いで地面に落ちた南場は、もはや立ち上がれないほどのダメージを受けていた。
「ぐっ……!な…なにを…した……っ!」
南場は思考する。
先程の蹴りは、腹にヒットする直前で寸止めをして風を作る。そして瞬時に戻した蹴りをもう一度蹴りとして放つ。
そうすると一撃目の風と二撃目の風はぶつかり合い、風の球状……つまり風が滞空する真空を作り出した。
その真空を三撃目で蹴ると、その風は小さく凝縮された突風となって放たれ、風圧を纏った蹴りとして弾丸のような威力へ跳ね上がっていた。
それを予測出来た南場は「くそ……」と屈託する。
そして気を失って、倒れてしまった。
「っし!俺の勝ちだ!」
慶太がガッツポーズで喜んでいると、桐谷は少し焦った様子で慶太の方を見ていた。
(……擬似的とは言え、真空そのものを造り出すとは……それにコイツ、脚力だけなら四武生の中でもずば抜けてやがる……)
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慶太・桐谷・南場の三つ巴戦を木陰から見ていた、飛鳥もこの戦いには驚いていた。
「ふーん……彼らが気力を使うことはしっていたけど、まさか、これ程までに扱い慣れてるなんてね……。」
南場の錯覚による分身攻撃や、慶太の真空をも造り出す程の脚速、桐谷の衝撃波を取ったって、間違いなく“最強クラス”の技だ。
やはり早い内に潰しておくべきだと、飛鳥は生徒会を代表して思った。
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ここは開業学園体育館。
巨大なモニターで慶太が南場を倒した様子を見ていた、雪と渚は大いに喜んでいた。
「やった!あの南場を倒したよ!」
「はい♪ ハラハラしましたけど、勝てて良かったですっ」
「……後は桐谷君かぁ~……」
「そう…ですね……あの人も南場さんとかと同じ強さとなると━━━?」
その時、渚が不安な顔をした。モニター越しで何かを見つけたかのように。
その様子に雪が気付いた。
「どうしたの?ナギヤン」
「あ、いえ……なんでもありません」
両手を降って何でもないと言った渚だが、それは嘘だった。
(いま……木陰に誰かいた……)
雪は心配そうに「そう……?」と訪ねてくれた。
「あ」
「どしたの?」
「……お手洗いに」
顔を赤く染めながら、手をコネコネする渚。
「あ、うん。待ってるから行ってきなよ」
「はい、すいません」
渚はトイレへ向かった。
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「さあ決着を付けようぜェ!梶間慶太ァア!」
「望むところだっ!桐谷!」
山下公園では慶太と桐谷の戦いが始まっていた。
慶太の大地を支えとした下からの前蹴りと、桐谷の重力を加算した上からの前蹴りがぶつかり合う。
ズガァッ!!
激しい音と共に二人の蹴りのぶつかり合いから、衝撃波が周囲に放たれる。
だが桐谷の攻撃はまだ終わっていなかった。
桐谷は即座に右手で慶太の足を掴み取り、声と気合を上げ、そのまま空へぶん投げた。
ブォン!
「なっ、なにぃ!(片手で俺のことを投げ飛ばしやがった━━━)」
さらに桐谷は慶太が落ちてくる位置を予測していたのか、落下位置に先回りをしていた。
「ハッ!」
ドォッ!
メキメキッ!と桐谷の肘うち+片手で肘を押すことによって力が加算+落下速度のインパクトによる三段攻撃は、慶太の背骨を確実に折る一撃となった。
「カハッ!」
「あばらは貰ったな━━━!?」
だがその瞬間だった。
慶太は最後の力を振り絞って、驚く事に空中でしかも落下中に向きを変えて鋭い蹴りを放った。
その蹴りは桐谷のアゴをかすり、慶太はそのまま地面に落ちた。
桐谷から貰ったダメージに追い打ちするかのような形になり、慶太は腹を抑えながら呻く。
口から血を吐いている。確かに思わぬ反撃に、避ける方に意識を逸らされてしまったが、それでもあばら骨にヒビぐらいは入れたのだろう。
最早、慶太に立ち上がる力すら残っていない。
「ちっ…!悪足掻きを……くっ!」
桐谷は急に膝を着いた。
アゴをかすったことにより、脳を揺すられ、脳震盪を起こしていたのだ。
(脳を揺らされたか。まさかあの一瞬で反撃に出るとは……俺も考えが甘かったな)
「やはり強ぇ……!」
慶太は唇を噛み締める。
その姿に桐谷は敬意を表すかのように笑う。そして、最後に一言いった。
「またやろうぜェ、四武生!」
次回へ続く!!
どもども、焔伽 蒼です!
勝者はまさかの桐谷でした。展開的には慶太かなと思ったかもしれませんが、違うのです。読者様の予測を超えたかったのです。果たして何割超えられたのでしょうね(笑)




