【第55話『南場強し!燃える激戦!?』】
【5月23日(土)・14時00分『横浜みなとみらい・山下公園・海辺沿い』】
三人は攻撃し合う。誰一人として退く者等いない。あるのは最後まで勝ち残ると言う勝利への執念。
一番動くのは南場だった。しかし、慶太も南場に負けずと動く。
パンチとキックの応襲。常人なら割り込んだだけで、一瞬にして半殺しにされるような攻防だ。
だがその中に、二人の真横から桐谷が醜悪な笑みを浮かべて、拳を放ってきた。
桐谷の拳は慶太の右顔に入った。慶太は体勢を崩して左側に倒れる。
その瞬間、正面から南場のパンチが飛んでくる。
「桐谷先輩、覚悟っ!」
南場の右フックが、桐谷の左顔に入った。後ろへ自ら体勢を崩すことで、ダメージを軽減したが唇を切るほどにはダメージをもらっていた。
「チッ!」
桐谷は血を拭い、直ぐに体勢を立て直す。
「やるじゃねェか!」
「そッスか!?悪名高い桐谷先輩に言われると嬉しいッスね!」
「悪名高さならテメェも負けて無いぜ?」
「そッスね~」
二人は軽い口を聞きながらも、互いに拳を止めない。
『!』
南場と桐谷は殺気を感じとり、後方へジャンプした。
さっきまでの攻防場所に、慶太が飛び蹴りで飛んできたからだ。
「くそ!交わされた!」
「復活の早い奴だな梶間ァ」
「丈夫なのは取り柄だからね!」
「桐谷先輩、スキ有りッスよ~?」
いつの間にか桐谷の間合いに入っていた南場が、右手に気力を込めて拳を放った。
「チィッ━━━!」
桐谷の腹に、南場の拳が入った。メキメキと嫌な音がする。まるで骨にヒビが入るような音だ。
桐谷の体は衝撃で浮き上がり、その間に南場は更に攻撃を仕掛けた。
地面から離れた桐谷が、地面に落ちるまでの1秒の間に、南場は膝蹴りをさっきと同じ腹に入れた。
鈍い音と共に桐谷は口から血を吐いた。
「がはっ……!」
「ボクシングが足技を使うとは思わなかったッスよね? 残念。俺のアメリカンボクシングは、パンチと同時にキックも覚えるんスよ」
桐谷は腹を押さえながら、立ち上がる。だが立ち上がるに伴い、腹に激痛が走る。
「……っ!(やべぇ……これはあばらが折れたか……?)」
「先に倒させて頂くッス!」
南場は追い打ちをかけた。桐谷に留めを刺す気だ。膝を喰らい弱っているせいか、桐谷に冷や汗が流れる。
だが南場は気づくと、何者かに顔を蹴り飛ばされていた。
「ぐはぁ!?」
南場は半回転しながら、後ろへよろめくが倒れずに持ちこたえた。
「……邪魔しないで下さいよ~。慶太先輩?」
蹴り飛ばしたのは慶太だった。慶太は鞭の様にしならせた足で、南場の顔を蹴った。
そして、慶太は空中へジャンプして、そこに回転を加算。そのまま南場に向かって蹴りを放った。
「スクリューキック!」
南場はにやっと笑い、懐から何かを取り出した。
「げっ!」
その何かを見た慶太はひきつった顔をする。それはそうだろう。
南場が取り出したのは花火。それも火を加えれば、飛んでいくロケット花火だ。
南場は滞りなく花火に火を点ける。シュボ━━━!と煙を撒きながら花火は飛んでいき、パァーンと慶太に命中して色鮮やかな火花を散らした。
「たーまやー♪」
慶太は南場の卑怯な戦法に対応し切れず、ロケット花火を直撃し、まるで戦闘機が対空砲を食らって墜落するかのように、地面へと落ちた。
「これでしばらくは慶太先輩は動けない。その間に、桐谷先輩との戦いを楽しませてもらうッスよ!」
南場は後ろに振り向く。そこには桐谷のかかと落としが迫っていて、身体をずらす事で南場は回避した。
地面に落ちた桐谷のかかと落としには、かなりの気力が込められていたようで、その威力は凄まじく草原の大地を砕いた。
山下公園の管理者の人には、どう言い訳をするのか気になる所ではある。
「いくら不意を狙っても、そのあからさまな殺気で気付いちゃうんスよー」
「……」
桐谷は怪訝な表情をする。自分より年下な奴に注意染みた事を言われるのは、不愉快極まりないのだろう。
「俺も技を披露するッス!!“激・震”!!
ドガガガガッ!
その拳が大地にインパクトした瞬間、打ち込んだ地面から二人のいる方向に向かって、地震のような音と共に地面がめくり上がっていった。
次回へ続く!!
どもども、焔伽 蒼です!
今回のタイトル考えるのに苦労しました。迷走した結果、こんなタイトルに汗




