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未来の彼方  作者: 焔伽 蒼
生徒会決着編
57/69

【第54話『三つ巴の戦い』】

【5月23日(土)・13時50分『横浜みなとみらい・山下公園・海辺沿い』】



開業の男子達を一掃した慶太・桐谷・南場の三人は、再び向かい合った。


いつ戦闘が始まってもおかしくない状況だ。


その光景を少し離れた所で、木の影から覗いている人物がいた。



「一之瀬の仲間を潰そうと思ってたんだけどなー。……まさか“南場”まで参加しているとはね。しかも桐谷までいるし」



この女性は生徒会書記or粛正委員会の1人、五十嵐飛鳥(いがらし あすか)


本当なら一之瀬の仲間のいずれかを見付けたら、直ぐに勝負を挑む気だったのだが、今は目の前で始まろうとしている三つ巴の戦場を陰で観察することにしていた。


開業学園の問題児・南場に、危険人物・桐谷、更には四武生である梶間。これだけの面子が戦えば、かなり疲労するはずだ。

そこを飛鳥は狙うつもりでいた。



(ふふふ、流石ね私)




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ゴゴゴゴ!



周囲には草木を(なび)かせる程の殺気が放たれていた。


慶太は「さっきの分身はやっかいかもな……」と南場を警戒し、桐谷は「四武生が二人か。光司とやる前の余興には中々良い獲物だ」と飢えた狼のように牙を剥き、南場も「梶間先輩は当然ッスけど、桐谷先輩も中々の気力ッスね……」と微笑していた。


そして三人には分かっていた。この戦い、先に動いた奴がやられる、と。



と言うのは、この三人の微妙な距離関係にあった。



制空圏と言われる、相手の攻防の動きを脳内で先読みし、それを防ぎ・反撃と様々な読み合いで牽制し会うことで生まれる空間のことである。

予測される攻撃の軌道を感覚的に視認する事であり、そこには少なからず、気力の流れを読むと言う作業も加わる為、この技はただ戦闘が強いだけでは出来ない。

だが、ここにいる三人は戦闘・気力共に最高の素質を持っている為、通常、自分を中心に周囲1m~3m程度の制空圏も、今に至っては互いのが混ざりあって5mまで広がっていた。



(くそ!この二人、まるで隙がない……!桐谷に攻撃すれば、南場の拳が飛んでくるし、例えそれを交わしたとしても、桐谷の蹴りが来る!)


(慶太を蹴ったとしても、南場からのフックが来る、逆に南場を先に攻撃すると慶太の蹴りが俺の首を狙う…!これじゃ動けねぇ!)


(やっぱり梶間先輩と桐谷先輩も制空圏発生させれるのか!くぅ~!想像以上に楽しくなってきやがったな、こりゃ!)




南場は楽しそうに笑った。

その瞬間、慶太と桐谷は身構えた。南場は驚くべき行動に出た。制空圏と言う地雷原を悠々と踏み越えてきたのだ。

つまり、読み合いの攻防を無視して正面切って攻撃を仕掛けて来たのだ。


流石の桐谷も「バカか、こいつ……」と言った表情を浮かべていた。


だが制空圏の拮抗が崩れた。その隙を二人はすかさず利用する。


桐谷は南場の顔にパンチを放ち、慶太は南場の腹にキックを放った。二人は当たると確信していた。



だが、南場は思わぬ攻撃手段に出る。それはポケットから取り出した丸薬だ。


二人はその事に気付かず、南場は地面に向かって投げる。その瞬間、パァン!と言う激しい音と共に火花が散った。



『!?』



それは火薬玉だった。花火であるような大したことのないものだ。

しかし、極限の緊張状態でやる制空圏を崩すには最適のもので、二人はそれだけで攻撃の手を止めてしまった。


そして、それがチャンスかの如く、南場は両拳に気力を込めた。



「へっ!“ダブル・ボディブロー”!!」



ズドォッ!!



ボクサーの拳が二人の腹に命中した。

カハッと咳き込み、後退する。二人が優勢と思われた状態からの逆転攻撃。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



今の光景を木陰から見ている飛鳥は呆れた感じに呟いた。



「勝つ為には手段を選ばず、小細工や小道具等にも頼る……それでいて四武生であり、武術を極めているのだからこそ(たち)が悪いわね」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



腹を押さえながら、桐谷は笑う。

桐谷は横に同じように、腹を押さえている慶太の足を払う。



「なっ!?」



まさかの桐谷からの攻撃に、慶太はバランスを崩して地面に転ぶ。そして桐谷は南場に向かって走り出す。



「桐谷……っ!てめぇ!」


「はっ!テメェラまとめてぶっ殺すしてやる!」


「三つ巴戦ッスか!?燃えてきたぁ!最後に立っていた奴が勝利って事でよろッス!!」



南場はより楽しそうに笑いながら、拳を繰り出す。


だが桐谷はその拳をススッと交わしながら、間合いに入り込んだ。



「はっ!あめェ!」



桐谷の拳が下から上へと、南場の腹に入る。



「ぐぅ!」


「まだだぜ!」



桐谷はそのまま右足で体を回転させて、左足による回り蹴りを、一発目に当てた同じ箇所に蹴りを入れようとした。


しかし、それは出来なかった。

なぜなら、横から飛び蹴りを放ってきた慶太に、肩を攻撃されたからだ。



「な……にぃいっ!」



今度は桐谷が、地面を転がるはめになる。



「俺を忘れんな!」



次回へ続く!!


フフフ、今日は投稿されないと思ったと思います。ですが、投稿しちゃうのですよ!ええ、ええ。

なにやら今日は眼が冴えていて、しいかあもお!明日は仕事やすみぃぃぃぃいええええい!!なのでなので、夜更かしして小説創っちゃいました(笑)

こんな時間に不相応なテンションでごめんなさい。自重します。そろそろ。


そうだ。報告があります。ミラカタ1部が終わったら、2部に入る前に休憩を下さい。理由は、新小説(例のファンタジーノベル)を投稿したいので。

もちろん、ミラカタ2部もそう間を空けずに再開しますので!宜しくです!

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