【第47話『八卦無天流と飛翔羽翼流』】
【5月23日(土)・12時30分『横浜みなとみらい・山下公園』】
『……』
何かそんな話を聞いていると、戦いにくくなる……。
俺にも千晴や自分の生活費と言う目的があるとは言え、九条の気持ちも痛いほど分かる。
九条の母親、朔夜さんは俺にとっても馴染み深い大事な人だったから。
だからこそ、俺は九条をこのゲームに勝たせてやりたいと思った。
千晴には悪いが、仕方ないよな━━━
その時、俺は右腕の裾に隠していたエンブレムに手をかけ、自分の勝利を捨て、九条に勝ちを譲ろうとした瞬間だった。
ヒュンヒュン!と音を立てて、空から斧が二本飛んでくる。
俺と九条はそれに気付き、直ぐに後方へ跳んで避けた。
だが避けた先に、スゥッと泉堂と日暮が現れた。
『!?』
「やっと見付けましたわ」
「再戦してくれるよね、一之瀬光司!」
ガキキッ!ズガガッ!
一瞬で四者は攻撃を打ち合った。
泉堂の武器攻撃を、俺は渦流しで交わし、日暮の承打を九条は弓本体で捌き切った。
「お前ら……!」
「貴方達は━━━生徒会の泉堂先輩と日暮先輩!?」
「はい、生徒会会計の泉堂ですわ。ですが、今回私達“生徒会”としてではなく、“粛正委員会”として来たので」
泉堂は腕にかけた赤と白の腕章を見せた。黒い達筆で“粛正”と書かれている。
日暮もその腕章をつけているようだ。
「今回僕ら生徒会は、生徒会役員としてではなく、粛正委員会として来てるから、悪いんだけど捕縛させてもらうよ? もちろん、力付くで!」
日暮は残念そうな顔をしながら、俺と九条に指を指す。
泉堂からも殺気が飛んできている。
ヤバい……この二人、本気だ……。
「ど、どうしよう…一之瀬君っ」
「……まぁ……相手も本気だし、やるしかないだろ」
その言葉に日暮が嬉しそうな顔を見せる。
「そう来なくちゃ!僕は本気の一之瀬光司と再戦出来れば、それで良いんだからね!」
「あらあら。私としましては、無抵抗投降をオススメしますわ」
「いや!意味もなく捕まる道理はないもん!」
九条が力いっぱい否定する。すると、さっきから笑っている泉堂の笑顔が、更に不安な笑顔に変わったのが感じ取れた。
「そうですか。仕方ありません。では始めましょう」
シャキン!と、泉堂は両袖から日本刀を二本出した。
どこに隠し持ってたんだ……!?
「刀!?剣術使い!?」
九条は警戒して弓を構えた。そして泉堂はクス…と笑う。
「いいえ。剣術使いではなく……暗器使いですわ」
その瞬間、スカートをお嬢様風に託し上げると、そのスカートの中からあらゆる武器がドサドサっ!と落ちてきた。
『━━━!』
俺達は驚愕した。一体あのスカートはどうなっているんだ!?
あの中にあれだけの武器をしまうとか、色々と法則を無視してるだろ!?
(あれだけの武器をどうやって…!)
九条も驚いている表情をしている。きっと考えていることは同じだろう。摩訶不思議過ぎるぞ……っ!
「日暮さん、八卦無天流は任せましたわよ。私は飛翔羽翼流の方をお相手します」
「分かったよ」
(あいつら何で八卦無天流どころか、飛翔羽翼流まで知ってるんだ?)
ヒュヒュゥッ!
その瞬間、空から矢が降り注いできた。
泉堂と日暮はそれに気付き、泉堂は前に乗り出て鎖鎌を片手で大回転させた。
風をも生み出す、その大回転により、飛んでくる矢は全て弾かれた。
先手必勝で矢を放った九条が目を丸くする。
「うそ、全部弾かれるなんて……!」
「先手必勝とは、やりますわね、九条さん」
「次は当てるっ!」
「また弾いて差し上げます」
九条と泉堂の戦いが始まった。俺は日暮の方を見る。
「……さて、俺らも戦るか」
「待ってたよ、この時を!」
次回へ続く!!
どもども、焔伽 蒼です!
それで早速なのですが、今日は書く事が無いのですよ!ではww
光司「本当に後書き終了!?早くない!?」




