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未来の彼方  作者: 焔伽 蒼
生徒会決着編
49/69

【第46話『六年前の凄惨な事件 後編』】

私達は急いで憩いの家へ向かって走った。


息を切らせ、湧き出てくる不安感を抑え、汗だくになりながら私達はひたすら重い足を動かす。



ボォォォオ!!



……だけど着いた時には、もう何もかも遅かった……。


憩いの家は激しく炎上。


勿論、憩いの家の中にいた老人達も焼け死んでいた……のだけど、不可解な点がそこにいったんだよね。


まず燃え崩れていく建物の床や壁にびっしり付着した大量の血、そして倒れている老人達の死因は火によるものではなく刃物のような鋭い凶器によるものだということ。……何よりも不可解なのは、目の前で犯人と思われる人物が大怪我をしている事だった。



「え……? なに……これ……」


「……死んでる……のか?」


「……ぅ…う……」



死んでるのかと思っていた犯人らしき男は生きていた。

今にも消え去りそうな声で何かしゃべろうとしている。



「ひっ……」


「生きてる……!?さーちゃん下がって!」



あの時、一之瀬君は怯える私の事を抱き寄せるように、守ろうとしてくれていたのよね。


その後に、犯人らしき男は変なことを言っていた。



「……おれは……こんな…つもりじゃ……あの化け物が……」



ヒュンヒュン!ドシュゥッ!



その時犯人の体から血が吹き出た。


それは燃え盛る家の中から飛んできた刀が、犯人の背中から心臓へと突き刺さった事による出血だった。


間違いなく犯人は即死した。



「キャアア!」


「うっ……!」




私達は子供ながら目の前で起きてる事がわかってなかった……人が死んだ、いや殺されたんだ。目の前で。私は泣き叫び、一之瀬君は口を抑えて吐きそうな表情をしている。恐怖感が押し寄せてくる。


そして私は更に信じられない光景を見ることになる。



「あぁ、ダメだねぇ。余計なことを言っては。私らに歯向かった者は皆死ななきゃ」



それは燃え盛る家の中から出てきた一人の女性。

目が細いのか、瞑っているのかは分からないけど、その女性が不適な笑みを浮かべている事だけは分かった。


私はその人が怖かった。

人間……違う……それよりも化物を見るような恐怖感に縛られる。


そして……それよりも目を疑う光景……その人の両手には片方ずつ人が引き摺られていた。



ズズズ…ズズズ…



「……え? ……お父さん……お母さん……?」


「っ!? そんな……」



見間違う筈もない。

引き摺られていた二人は、父と母だった。


二人とも血を流し、ピクリとも動かない。

目の前に広がる絶望が私の心を埋め尽くしていく感じは今でも思い出すと寒気がしてくる。


炎の中から出てきた人……いえ、女性は笑顔のまま話し掛けてくる。



「おやぁ?君達は誰かな?」


『ぅ……!』



言葉に殺気が込められていたのか、その一言で私と一之瀬君は金縛りのような状態にあってしまった。


私は涙を流し、目を病みながら腰を抜かして地面に崩れるように座り込んでしまった。


一之瀬君は紗綾の側に駆け寄る。



「さーちゃん!?」



地面に座り込む私を見て、女性は何かを思い当たったように「あぁ」と呟く。



「思い出した。少女、君は九条家の1人娘。九条彩香だね」



ゾクッと恐怖した。だけど一之瀬君は庇ってくれた。



「近付くな!さーちゃんには手出しさせねぇ!」



一之瀬君が今までにない迫力で、女性を睨む。手や足が振るえているほど怖い筈なのに、私を庇ってくれたのは本当に嬉しかった。……本当に。



「少年、中々に良い殺気だ。将来有望だな。一応、九条家の者は全員始末するように言われてるんだけど……まぁ良いか。君の殺気に免じて、今は殺さないであげるよ」



どんな時でも不気味に笑う女性。

私は気が遠くなる中、最後にその人の方を見た。

そして見えたのは━━━




(黒いマントに…丸い…紋様……?)



そして私はその時点で気を失う。


それから目を覚ました時、私は病院だった。


後から聞いた話、父と母は殺されて、その場にいた犯人・老人方も含めて14人の人達が亡くなったと。


現場に居合わせて生き残ったのは私と、一之瀬君……そして誘拐された同じ小学校の子だった……


そして唯一、両親が残してくれた片身……それが飛翔羽翼流であったと言うこと。



次回へ続く!!


と言うことで、「六年前の凄惨な事件篇」でした。

この短編式過去篇は、九条彩香の両親と丸い文様の黒衣を羽織った敵が出てくる回でした。両親の死因のフラグが解消されたと思ったら、新たな存在のフラグが出来ちゃいましたね。

他にも謎の敵(?)もいるのに(汗)


今後も見守ってやってください。

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