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未来の彼方  作者: 焔伽 蒼
的場雪篇
32/69

【第29話『予知夢は正夢となる』】

【5月21日(木)・19時45分『横浜開業学園・校門前』】



【光司視点⇒全体視点】



光司と彩香は開業学園の校門前まで来ていた。


息を切らしている二人は、雨に濡れるのも構わず走ったのだから当然だ。



「居ない……」



光司が辺りを見回すが、そこにはワゴンどころか男たちも、雪の姿も見えなかった。


彩香は光司の方を見て言ってくる。



「ほ、本当に雪ちゃんが襲われる光景を視たの?」



光司はここに来るまでに、視た予知夢のことを彩香に話していた。


元々、光司が予知夢を視る特異な能力を持っていることを知っている彩香は、大して驚くこともなく素直に信じることが出来た。


しかし、予知夢には的中する時としない時がある。そこに彩香は疑問を感じていた。


━━━雪ちゃんが複数の男に囲まれて拐われる。しかも、最後は銃殺されるなんて……そんなこと有り得るの?



基本的に真面目で良い子で人気のある雪が、そんな目に会うなんて信じにくかった。


それでも、こうして雪の姿を探しに来ているのは、光司の様子だった。

光司はいつになく慌てた様子で、雪の事を探していた。何か違和感を感じているようだった。



(……この感じは前にも一度あった……一之瀬君のお父さんが事故で亡くなる前夜…)



━━━その時と同じ様子を感じ取れる。


そんな胸騒ぎを抱きながら、何か手掛かりがないかと、より集中して捜索してみる。



「……? 一之瀬君、あれ!」



そこで彩香はある物を発見した。それはiPhoneだった。

ずっと雨に打たれていたせいか、ショートを起こし僅かに電気をピリッと放っていた。その電気をたまたま見たようだ。


光司がiPhoneを手に取ると、再び嫌な汗が流れ落ちる。



「これ……雪のだ」


「うそ……」



どうやら光司の予知夢は本格的に的中する予感がしてきた。



「予知夢ではどこに連れていかれたの!?」


「待て、いま思い出す……!」



光司は必死に昨日の夜視た予知夢の光景を思い出す。

何せ暗い工場の中だった為、目印や場所を把握するための特徴がない。



(くそ!何か手掛かりは……!このままじゃ雪がっ!)



その瞬間だった。たまたま持ってきたクリスタルに再び金色の輝きが(とも)る。

ポケットの中のため、二人とも気付かなかったが光司の脳内にある映像が浮かぶ。それは今まで考えていた思考の上から、のし掛かるように優先される。



そこに映ったのは、白いワゴンが停まった海の側の工場……それだけで光司は確信した。


この周辺で海があり、工場がある場所━━━それは!



MM(みなとみらい)だ!」


「みなとみらい?てことは桜木町ね!急ごっ」


「ああ!」



光司と彩香は再び走り出す。



(にしても三回目か……起きながらにして予知夢を視るのは。いや……本当に予知夢なのか……?)



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



【5月21日(木)・19時55分『桜木町みなとみらい・横浜第三工場』】



雪は走っていた。雨に濡れるのも構わず、追ってくる複数の男から逃げていた。


校門前で何者かに拉致された雪は、そのままワゴンに連れ込まれ車は発車してしまった。


しかし、途中で雪は制服の内ポケットに隠しもっていた閃光弾(谷口作)を使用し、パニックになって停車した隙に逃げてきたのだ。


雪はその天才的頭脳を買われて、よく谷口の研究の手伝いをしている。


その際に発明した物などを分けてもらったりしているのである。



(まさか治くんの発明がこんな形で役立つとは思わなかったよ……)



「止まりやがれ!」


「逃がすか!」



躍起(やっき)になって追い掛けてくる二人の男。



(さっきまで三人いたのに二人しかいない……?でもチャンスかもっ)



雪はバックからスプレー缶を取り出す。

同時に手持ちのライターを点け、スプレーから噴射されるガスに引火させる。


その火力は凄まじく、豪雨と混ざりあい突発的に多量の水蒸気を発生させる。


蒸気音と共に辺りは白い霧のような蒸気に包まれた。


男二人が霧に惑わされている隙に、雪はそこから離れた。



「ここまでくれば大丈夫だよね」



しかし男二人を撒いたからといって、自分の安全が確定された訳じゃない。


そんなことは雪も分かっている。だから、側にある工場の中へ隠れることにした。



「ここってコンテナとかを置いておく倉庫だったんだ…」



雪が入った工場と思っていたのは、船やトラックに乗せて運ぶコンテナを一時的に置いておく倉庫のようだった。


しかし、そうなるとマズイ事がある……。



「これじゃ隠れる場所がない……」



そう。辺りにあるコンテナのみのため、人が隠れたり出来る程の障害物がないのだ。


そして、その心配は最悪な形で現実に起こってしまう。

倉庫のシャッターが開かれる。外から月明かりが、倉庫の闇を照らす。


入って来たのはさっきの男達ではない。雪を校門前に呼び出し、今回の拉致作戦を企てたグループのリーダー。

雪はその男を知っている。(いぶか)し気に、その男の名前を呼ぶ。



「五十嵐……ッ!」



次回へ続く!!


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!

次回でついに30話いきますね!僕の中で30話行けば短編から中編モノへ進化すると勝手に結論付けています。そして50話を超えれば、長編ですよぉ!目指せ長編!速度上げろ俺!等と自答している暇があれば、次の話を作りますね。はい。

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