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AIJIN  作者: ヘキサク 希
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AIJIN

異世界生活、最初の短編がこんな内容になるとは(笑)


理美の異世界ライフ、始まります

母のリハビリが終わり、日本の理美は土曜日の配信を再開していた。


つまり、JINは土曜日、日本で理美の配信をリアルタイムで見ることができる。


異世界の理美は暇になった。


「私も見たい。」


「私も配信、参加できんかな。」


理美は考えた。


そして、JINが土曜日に日本へ行った時、自分が配信へ参加するためのアカウントを作ってもらうことにした。


問題は名前である。


ハンドルネーム


理美は考えた。


そして、これしかないと思った。


AIJIN


アイジン


分身の理美は、異世界の神JINの推しへの愛から生まれた。



そして、異世界にはAIアンドロイドのヒューゴもいる。


AI


そこに異世界のJIN


AIJIN


「これしかないな。」


こうして、AIJINは誕生した。



土曜日


久しぶりの土曜配信が始まった。


「こんばんは。ソフィーです。久しぶりの土曜日の配信です。」


異世界の理美は、Instagramの電話機能で、日本の快活CLUBにいるJINとつながっていた。


理美が話した言葉を、快活CLUBのパソコンの音声テキスト機能が読み取り、AIJINのコメントとして配信へ送る。


JINが配信へ入った。


同時に、AIJINも入る。


「あれ?」


ソフィーが気づいた。


「JINさんと一緒に来た人、誰?」


JINがコメントした。


『私の知り合いです』


「JINさんの知り合い?」


ソフィーは画面の名前を見た。


「AIJIN? アイジン?」


少し間があった。


「愛人なんですか?」


「そうです。2号です。」


異世界の理美、調子に乗っている。


一気にコメントが流れ始めた。


『ええええ!』


『JINさん、愛人いたの?』


『2号ってことは1号もいる?』


『JINさんやるなあ』


「私には1号なんていません!」


JINが慌てた。


顔が真っ赤である。


異世界の理美には、その顔が見えていた。


面白い。


非常に面白い。


しかし、AIJINには一つ問題があった。


配信といえば、投げ銭である。


だが、AIJINは投げられない。


日本の理美も自分。


異世界の理美も自分。


自分で自分に投げる。


自投げである。


理美は、自投げだけは絶対にしないと決めていた。


しかし、その理由を日本の理美に説明することはできない。


分身の存在を、日本の理美は知らない。


異世界のことも言えない。


「国との仕事の関係で秘密保持がありまして、詳しいことは言えないんですが、配信で投げることができないんです。」


嘘は言っていない。


国というのは、日本と異世界。


仕事というのは、JINの配信運営。


日本と異世界は、互いに干渉してはいけない。


詳しいことは言えない。


本当である。


「私の代わりにJINさんが投げてくれるそうなんで、すみませんがよろしくお願いします。」


「わかったわかった! JINさんのいい人に投げてもらえないわ。いつも良くしてもらってるしね。」


ソフィーは納得した。


「じゃあ、そんなJINさんとAIJINさんに、この歌を送ります。」


イントロが流れた。


異世界の理美は、すぐに分かった。


「JINさん、JINさん。」


「はい。」


「ハンドルネーム、早く変えてきて。」


「ええ?」


「早く。」


JINは急いで名前を変更した。


ソフィーは、そのまま歌っている。


ソフィーの歌った曲は、テレサ・テンの『愛人』だったのだ。


歌が終わる。


新しいハンドルネームから、拍手のコメントが送られた。


『パチパチパチ』


新しいハンドルネームは――


愛人


「愛人。プハッ! 名前変えてきてるし。」


ソフィーが吹き出した。


AIJIN改め、愛人である。


「JINさん。」


「はい。」


「アリーナ投げて。」


「はい。」


JINが五千ポイントのアリーナを投げた。


「えっ、ちょっと待って。今日いつもより五千も多いやん。こんなに投げてもらって申し訳ないわ。」


「いえいえ。JINさんには、たっぷり後でサービスしときますんで。」


JINの顔が真っ赤になった。



異世界の神JIN。


どんなサービスを想像しているのか。

1号の存在は全力で否定しても、愛人であることに関しては一切否定しないJIN


推しに愛を捧げる人


愛する人


それが、愛人(笑)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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