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【ランキング65位達成】累計6万PV『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第十三章 転生者が生き残りをかけてのデスゲーム

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第2話 ホブゴブリンの玉座の間

あちらこちらに転がるのは、無惨なゴブリンたちの骸。


ホブゴブリンの洞窟の内の罠は、すべて解除されていた。

無傷で通過できるほどの精緻なルート取り。

さすがは伝説のブレイブ レガリアのゲーム世界の攻略情報を知る転生勇者アレスこと南城大我なんじょうたいが


ゲームプレイヤーとしての知識が、この難攻不落なダンジョンを“ただの通り道”に変えていた。


そして最奥。


俺たち《胃袋英雄譚》は、ついに到達した。

この戦いの決戦の地「ゴブリンの玉座の間」へと。


その扉が重々しく開いた瞬間、目に入ったのは、待ち構える3人の転生者。


玉座の間、広がる沈黙。



中央には―

・漆黒の剣を抱えた男、黒月の剣士ミカヅキ・ユウト。

・淡い笑みを浮かべ、複数の人間の人形を連れる少女、人形姫メル・アリア。

・そして、堂々と玉座に肘をつく、若き青年の、勇者アレス・ヴァンガード。


【勇者パーティー 転生英雄団】

ゲーム神に召喚された3人の転生者。


まるで舞台の幕開けだった。


その玉座の扉の前に、俺たち魔族パーティーが姿を現す。


・腹の出たオークロード、勝利飯を愛する料理人、デフリー。

・滑らかな鱗に光る眼差し、機動魔導術の女魔法戦士、エミリー。

・燃え盛る体で爆裂回避、戦場を跳ねる爆弾男、コニちゃん。

・漆黒の翼と金弓の精霊種、冷静なる射手、ティリス。

・そして最後に、漆黒のマントを翻し玉座へと歩む俺、ゴブリンロード、転生者にしてのゴブリンの王、 まもる


我ら、《胃袋英雄譚》。

命を喰らい、誇りを味わい、戦場で「勝つ飯」を求める者たち。


「……よく来たな、魔族ども」

玉座に座るアレスが、ゆっくりと立ち上がる。


「お前の運命はここまでや。死ね、ホブゴブリン転生者・護!」


「その言葉……そっくりそのまま返すぜ。アレス」


俺の足は止まらない。

アレスの剣の殺気が空間ごと唸る。


だが、それでも俺は進む。


「護ちゃん……ここを戦場にした理由、知りたいか?」


「ゴブリンの王である俺への嫌がらせか?」


「護、ここでお前が闘う理由を言ったよな。命・仲間・誇りだったよな。

だから俺も真似して仲間つくってみたで!どうや最強のメンバーや!」

アレスが口元を歪めた。


「そうだ、今からでも遅くはない、俺の仲間にしてやるで。レアキャラちゃん、俺の女にならへんか?」


ティリスの瞳が冷たく光る。


「……あなたの仲間になるくらいなら、死んだ方がマシよ」


「ええでー! ほなまず目の前で護を殺したる。そのあとや、アンタやアンタを殺す!」


アレスの気が弾けるように移動魔法で加速爆発した。


一瞬で距離を詰め、俺の前に出現する。


「っ……!」

俺は盾を掲げた――刹那の剣閃!


ギィィィィィン――!


鋼と鋼が火花を散らす。


「おおー! やるやんけ、護! ほな見せてもらおか、どこまで持つか!盾が壊れるまでなぁ!やっちぁゃる。」


勇者アレスの剣が唸る。


ゴブリンロードの護が巨大な盾を構える。


“転生者vs転生者”、このゲームで最初に勇者が闘うホブゴブリンの洞窟の玉座の間で最後の戦いがいま始まった。



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