第3話 カミナリ鳥を撃ち落せ。
◆超進化スープ 具材リスト◆
①【追獄獣バルグルムの「執念の瞳」】 GETだぜ!
②【四脚鎧蟲スパルディオ虫の「硬殻神経核」】 GETだぜ!
③【喰雷鳥クルバクの「放電羽」】◀(挑戦中)
④【紅眼熊ルガンの「逆鱗」】
⑤【地裂魔牛ゴルマーダの「震脚蹄」】
「いたぞ! あの稲光の中や!」
護が空を指さすと、雷雲を裂いて旋回する漆黒の巨鳥が現れた。
全長2メートル、翼からバチバチと青白い雷が放たれ、岩場の木々を燃やしながら飛び回っている。
喰雷鳥。
空中から高圧電撃を叩き込んでくる、空飛ぶ要注意モンスターである。
「まずいってあれ、雷耐性ないって、オレ燃えるって!!」
コニちゃんが耳を押さえながら、火トロールのくせにビビりまくる。
「飛んでるのって、どうやって倒すんだよ……」
護も顔をしかめたが、デフリーは静かに手を上げた。
「こういう時は――投石や!」
「原始的ーーー!?」
全員のツッコミが山に響いた。
◆狩り開始!クルバク落とし作戦
「いいから投げろぉぉぉ!あいつ今、旋回中や!」
「うおぉぉぉぉ!!」
「投げるぞォ! 1、2、3――ほらっ!」
岩、丸太、槍、投げナイフ、木の枝、果てはエミリーが脱ぎ捨てたスリッパまでが空に舞う。
だがクルバクは高速で旋回し、バチバチと雷を撒きながら見事に全部回避!
「……だめや、ぜんっぜん当たらん」
全員が肩を落としたそのとき――
ひときわ眩い光の矢が空を裂いた!
「風の導き、光よ穿て――《閃撃の白弓》!」
ティリスの魔法が籠った矢が一直線にクルバクの頭へ突き刺さり、
ピシャアアアアン!!という凄まじい音とともに、雷鳥が空中で爆ぜた。
「ナイスショット!」「やったぁぁぁ!」
全員が歓声を上げた。
地面にどさりと落ちた雷鳥の死骸からは、青白くひかる「放電羽」が輝いていた。
そして調理タイム
「よっしゃぁぁ、今夜はトリやトリ!!」
デフリーの料理魂が燃え上がった。
「七面鳥と同じ構造や! これは絶対うまいで!」
羽をむしり、丸ごとロースト。
香草と野草で下味をつけ、内部にはキノコと炊いた粟を詰め込む。
外皮には岩塩とスパイスをすりこみ、火トロールのコニちゃんの「トロ火」でじっくり焼く。
「じゅうううう……カリッ、パリッ、じゅわ~♡」
「……う、うまそすぎるやろ」
護が思わず唾を飲み込む。
デフリーが仕上げに蜜酒ベースのソースをかけて、香ばしい匂いがあたりに広がる。
「さあ、みんな~! カミナリ七面鳥の丸焼き祭りやで~!」
宴のあと、みんなで焼き鳥(超高級)をむさぼりながら、
ティリスは静かに言った。
「飛んでる獲物は、狙い甲斐があるわね。ふふっ」
コニちゃんは「もう一羽いこう!」と叫び、
エミリーは羽のスープで優雅にお茶タイムを始めていた。
「よし、放電羽……ゲットだぜ」
護はスープ具材リストに、三つ目のGETだぜと、チェックマークをつけた。




