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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第十二章 魔族の勇者たち最終進化へと

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第2話 虫は食べたくない 無理なものは無理

◆超進化スープ 具材リスト◆


①【追獄獣バルグルムの「執念の瞳」】 GETだぜ!

②【四脚鎧蟲スパルディオ虫の「硬殻神経核」】◀(挑戦中)

③【喰雷鳥クルバクの「放電羽」】

④【紅眼熊ルガンの「逆鱗」】

⑤【地裂魔牛ゴルマーダの「震脚蹄」】


「いやもう、これだけは言わせてくれ。虫は無理。ガチで無理。焼いても無理だからビエエエエーン。」


そう叫んだのはコニちゃん火トロールの暴れん坊である。

普段は火を吹いて魔物も丸焦げにするくせに、今日は大きな岩陰に縮こまっていた。


「……おいコニ、トロールだろ、お前。山で生きてて、そんなんでよう今まで生きてこれたな」

護がため息をつく。


その前にいるのは、巨大な虫型モンスター。

四脚鎧蟲《スパルディオ虫》体長3メートル。

鈍く黒光りする甲殻を持ち、全身を金属のような棘で覆われている。


「こっちくんなこっちくんなぁぁああああ!!!」

コニちゃんが火炎放射で応戦。

虫は悲鳴を上げることもなく、そのまま黒煙とともに崩れ落ちた。


「よっしゃ、焼き殺し完了!」

デフリーが焼け焦げた虫の死骸を指さして言った。


「さて……誰が食う?」


……沈黙。


全員が顔を見合わせた。

いや、見合わせすらしなかった。誰も視線を合わせようとしない。


「……無理です」

護が断言した。


「虫の脳みそだぞ?《硬殻神経核》だぞ? 脳みそだぞ?」

「どんなソースかけても脳みそは脳みそやで……」


◆ただし、2名除く。

「私はいけるわ。むしろ楽しみ」

ダークエルフのティリスがさらりと呟いた。


「私も。焼き虫は日常よ」

リザードマンのエミリーがにっこり笑う。


「……え?」


一同が固まる中、二人の“森の民”が着々と調理を始めていた。

ティリス&エミリーの虫グルメ女子会!が始まりました。


「はい、これ! スパルディオの触脚グリル~♪」

「こっちは神経核のスモーク仕立てよ♪♪」


ティリスとエミリーは手際よく虫の部位を捌き、

丸焼き、香草焼き、燻製風、パリパリ揚げと、次々に変態的……いや、美味しそうな料理を生み出していく。


「あっ、この脚の関節、ぷりぷりしてて美味しい~♡」

「こっちの中脳、ほんのりビターで赤ワインに合いそうね♪」


なんかもう、女子会ノリである。


「さすが森の守り人エルフ……」

「舌のレベルが昆虫学者や……」


護とデフリーは、遠巻きに眺めながらうめいた。


一方コニちゃんは完全に茫然自失。

「もう寝るぅ……虫の夢見るぅ……」

と、丸太に顔をうずめていた。


ティリスが虫の頭部を慎重に割り、「硬殻神経核」を手にする。


「はい、これでスープ具材2つ目。いけたわね」

「やっぱ虫はスパイス効かせるのが大事よ」

「さっすがエミリー、リザード界の鉄板焼きクイーンね♪」


ぺちん、とハイタッチを交わす虫グルメ女子たち。


その光景に、護はただ一言、つぶやいた。


「おれ、次の魔物は……せめて哺乳類がいい」


ゴキブリを思い出す。

虫はやはり、気持ち悪いと思う護であった。


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