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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第九章 狂気のサイコパス人形少女

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第7話 超強力な助っ人登場

激しい雷雨の中、ずぶ濡れのティリスが光の剣を高々と振り上げ、護の前に立ちふさがっていた。

その目は涙を流しながらも、感情の灯を失い、まるで操られる傀儡のように淡々としている。


「やめろ――ティリスッ!!」

護が絶叫する。

「アリアの操りの糸を、振りほどけぇぇっ!!」


空が裂け、雷鳴が大地を揺るがす。

雨はなおも降りしきり、視界を濁らせる中――


ティリスの剣が、一直線に振り下ろされた。


「――っ!!」


護は目を閉じ、覚悟を決める。


……しかし。


「……え?」


目を開けると、光の剣は、護の顔のすぐ右側、数センチに突き刺さっていた。


「ちぇっ……一本切れちゃったみたい」


背後から、メル・マリアが唇を尖らせながら言った。

どうやら、ティリスが魂の底から抗い、自力で操り糸を一本断ち切ったらしい。


「でも大丈夫。縫合っと♪ 仕切り直しよ――」


そのときだった。


異空間が捻じれ、紫色の渦から一人の男が現れた。


「……誰だお前ッ!?」


咄嗟に警戒するアレスとマリア。


「名乗るほどのこともないが――」

雨を切る低く重い声が響く。


挿絵(By みてみん)


「我が名はレグナ=ヴァル=ノクト。このゲームの魔王である」


その名を聞いた瞬間、場の空気が凍りついた。


魔王レグナは手を一振りすると、ティリスに絡んでいた操り糸をすべて切り裂いた。


「なっ……!? やめなさいよぉおおお!!」

アリアが叫ぶが、レグナは振り返りもしない。


「護よ、よく聞け。勇者アレスは“運命の加護”により、我々の想像を超える力を得てしまった。今のお前たちでは勝ち目はない」


「……なんだって!?」

護は歯を食いしばる。


「だが、まだ希望はある」

魔王レグナは空間に再び渦を開いた。

「このゲートの先に“魔女の祠”がある。そこに棲む古代の魔女・マーリンに、さらなる進化の方法を教わるのだ」


「はあ? なんやお前、魔王のくせに水差しよって。魔王が自分の城から出たらルール違反やろが!」


アレスが笑いながら踏み出そうとしたが、魔王レグナが静かに告げる。


「ルールを壊しているのは貴様だろうが南城大我なんじょうたいが。“伝説のブレイブ・レガリア”の世界を、プレイヤーの我欲で踏み荒らす者よ」


アレスの顔が険しく歪んだ。


「さぁ行け、護。お前たち魔族こそが、この世界を修正し得る“最後の希望”だ」


護は仲間たちへと振り返った。


「……撤退だ。エイミー、コニちゃん、デフリー、ゲートへ急げ!」


ティリスも小さく頷き、護の背中を追う。


だがその瞬間、アレスが咆哮する。


「逃がすかぁああああッ!!」


一歩踏み出そうとするその前に

レグナが前に出た。


「貴様の相手は、我が務めよう」


雷鳴がとどろき、アレスとレグナの視線が激突する。


「行け、護よ! 希望の魔族の勇者たちよ!」


護たちは、開かれた魔法移転のゲートをくぐった。

さらなる進化、そして“勝利”の可能性を掴むために


第九章 完結

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