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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第八章 転生勇者と転生魔導将軍

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第5話 改変空間の死闘と再起動

玉座層コア・アーク


物理法則が歪み、現実がねじれる情報空間。


挿絵(By みてみん)


その中心に座すクロウ・サカキバラの義眼が赤く点滅し、冷たい声が響く。


「誤差が閾値を超えた。ならば、“ノイズ”として、消去する」


その瞬間、天井から巨大な砲塔が展開された。


「魔導兵器《ガドリング砲》、全弾装填」


──バチッ。


魔力コイルが螺旋状に回転し始める。そこから発射されるのは、高速魔導弾。


「避けろ!!!」


アレスが叫び、ティリスが魔法障壁を展開。ギリアムが床に伏せ、ボルトが後退する。


弾丸が空間を裂く。結界を貫通する一撃でティリスが吹き飛ばされ、アレスの肩に火花が走る。


「ぐっ……クソが……こいつ、マジで殺す気か!!」


「これが……次世代の兵器か。威力が桁違いだ」ボルトが呻く。


「防御優先! こっちから攻め込める距離じゃねぇでやす!!」ギリアムが必死に分析するも、空間そのものが反応して彼らの動きを封じる。


クロウが立ち上がり、ゆっくりと手を掲げる。


「君たちの戦術構築は計算済みだ。特に、ボルトとギリアム。闇ギルド《ドレッドバインド》からの流入……その動き自体、私の構想の一部だ」


「……何だと?」


ボルトが眉をひそめ、導雷杖を構える。


「さぁ、お前ら……こっちへ来い」


クロウが言葉とともに手を動かす。


すると、空間が歪み、強制転移の魔法陣が発動。


「しまった!? 足元が――ッ!」


ボルトとギリアムの身体が、磁力を帯びたようにクロウの玉座前へと引き寄せられる。


「離れろッ! これは転移魔法じゃねぇ……座標引力か!」ギリアムがもがくが、その動きはどこか緩慢だった。


「おい……ギリアム?」アレスの目が鋭く細まる。


ギリアムは、クロウの玉座の前でニヤリと笑った。


「わりぃでやす、勇者さん。最初からこっちの仕事だったんでやすよ」


「……嘘やろ」


「俺の得意技は隠密と裏切りでやすからな」ギリアムが懐から短剣を取り出し、構える。


ティリスが怒りに震える。「あなた、最初から私たちを――」


「……利用したでやす。あんたらの動き、ぜ〜んぶクロウ様が計算してたんでやすよ」


クロウの義眼が再び煌めく。


「私はすべての選択肢を予測する。裏切りも忠誠も、誤差の内にすぎない」


「こっちは魂で戦ってんねん! 計算に収まるかい!!」


アレスが剣を抜き、怒声をあげた。


だが、敵はすでに仲間の中にいた。


ボルトは沈黙したまま立ち尽くし、その瞳に僅かな迷いが宿る。


「……ボルト、お前は……まさか……」


「選択肢はまだ残っている」ボルトが呟いた。


しかし、その雷はまだ放たれてはいなかった。


アレスとティリスは、信じるべき仲間を見失いかけながら、それでも剣と弓を握りしめていた。

闘いはさらなる混沌と混迷の中 最終段階へと進むのだった。


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