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第3話 転生勇者 ホブゴブリンのダンジョン攻略へ

『伝説のブレイブ・レガリア』チュートリアルのゴブリンの森へ再侵入した転生勇者一行。


「今回は……ちゃんと攻略するぜ。まもるとかう転生者ボスを潰す」


アレスが静かに剣を構え、リュミナが深呼吸とともに魔力を練る。チュートリアルの森の奥、ホブゴブリンが潜む洞窟。その入口には、前回よりも遥かに狡猾な罠が待ち構えていた。


「見て、落とし穴。下には毒の槍と骸骨が山盛りね」


リュミナが目を細めて、足元の土に手をかざした。


「我が命令に応じよ、万象の水よ。重圧の鎧と化し、大地に鉄を穿て

《アクア・フォージ》」


サラサラとした土が、みるみるうちに硬質な石板へと変わり、落とし穴は塞がれた。


次に進むと、今度は紫に染まったぬめる地面。


「毒沼ね。これじゃ身体が触れた瞬間、解毒が間に合わない」


「ほんまに考えたやつ趣味悪いなぁ……」

アレスが顔をしかめた瞬間、リュミナが再び詠唱する。


「天より降りし蒼きしずくよ、すべての穢れを洗い流せ。純水の神名のもとに

《ピュリファイ・ウォーター》」


光る水の膜が発生し、毒沼に触れると蒸発するように消えた。数秒後、ぬめりも色も消え、ただの湿った地面になっていた。


「……お前の魔法、ほんま便利やな」

「感謝してくれていいのよ?」



進んだ先で、無数のゴブリンたちが待ち伏せしていた。


「キャキャキャッ!」

「マジック! マジックでコロス!」


呪文を唱えるゴブリンたち。だがリュミナが冷静に指を弾いた。


「刃よ集え、蒼の怒りよ踊れ。敵を切り裂き、沈めよ

「《アクア・スラッシュ》」


鋭く圧縮された水刃が、呪文を放つ前のゴブリンの喉を真横から裂いた。


「ぴぎっ……!」


その瞬間、アレスが前へ躍り出る。


「……手ぇ出さんでええリュミナ。こっからはオレの番や」


ゴブリンが震えながら逃げようとするのを、アレスがあざ笑う。


「逃がすかい、雑魚クズが……!」


ドシュッ!


剣を真横から一閃し、ゴブリンの上半身が吹き飛ぶ。返す刀で別のゴブリンの足を切り飛ばし、転げ回るところに剣を突き立て、笑う。


「やっぱりええわこの感触……。ああ、苦しんでるなぁ、お前。もっとや!」


残るゴブリンが泣きながら後退したが、アレスはさらに詰め寄って頭を踏み砕いた。


「うっひゃぁ……何体目や、これで。あーたまらん」


リュミナは遠巻きにそれを見て、眉をひそめた。


「殺し方が悪趣味ね……本当に、最悪」


洞窟の奥でついに辿り着いた「ゴブリンの玉座の間」は、空だった。


「は? 逃げたんか……“護”とか言ってたやつ。腰抜けやなぁ」


そう口にした直後


「……よく来たな、勇者」


背後から響いた声に、アレスがニヤリと振り返る。


そこには4つの人影が立っていた。

一人目 腹を突き出し、ニタリと笑う巨体のオーク族、「デブリー」。

二人目 鱗に覆われた滑らかな体を持つリザードマン族、「エミリー」。

三人目 以前戦ったトロールキングに酷似した少女、トロール族の「コニちゃん」。

そして、最後の一人 凶悪な笑みを浮かべたゴブリン族の長、「まもる」。


彼らはまるで舞台に立つ役者のように、堂々と並び、アレスたちを見下ろしていた。


その様子を、洞窟のさらに奥の闇の中から一人の女がそっと見つめていた。

ダークエルフの「ティリス」。その瞳は、冷ややかで何かを見極めようとする色を湛えていた。


「お前の運命はここまでだ。死ね勇者アレス!」


「出た出た、テンプレ展開や! 4対2、上等やんけ……!」


こうして、ゴブリンの住処の洞窟の地の底での壮絶なバトルの幕が上がった!



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