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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第三章 勇者の誕生とエルフ族

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第6話 ミリュアの泉、血に染まる

聖なる泉ミリュアの中心に、月明かりが静かに差し込む。

だが、そこに漂う空気は神聖とは程遠い。


「……あれが傭兵団か」


護は森の茂みから身を伏せて様子をうかがう。

金属鎧に身を包んだ人間たちは、泉の中心で巨大なポンプとパイプを設置していた。

周囲には魔除けの呪符と、携帯型の魔法障壁。

ただの傭兵ではない。訓練された部隊だ。


「エイミー、結界を無効化できるか?」


「少し時間をもらえれば……やってみますわ」


「コニちゃん、突撃は最後の手段だよ。合図があるまで我慢してね」


「うぅ~、ガマンするぅぅ……早くぶっ壊したいよぉ……」


「じゃあ俺は先に一品作っとくで」


「……何を?」


「腹減ってたら力出ぇへんやろ。ほら、焼き肉丼」


護が微妙な顔をする間に、作戦は開始された。


エイミーの呪術が結界の基礎魔法陣に干渉し、音もなく障壁が崩れ落ちる。


その瞬間、護が跳ねるように飛び出した。


「今だ!」


爆竹のような閃光玉が傭兵団の中央で炸裂。視界を奪われた彼らに、デフリーが大鍋を持って突撃する。


「喰らえ! 戦闘支援スープっ!」


傭兵の一人が煮えたぎるスープを顔面に受け、悶絶。

その混乱の中、護は素早く背後を取り、隊長格の男の喉元に短剣を突きつける。


「動けば、切る」


傭兵団は動きを止めた。


……が、次の瞬間、別働隊が茂みから突撃してくる!


「っ、増援か!」


「コニちゃん、今だッ!」


「うぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!ドスコイ!」


森が揺れるような咆哮とともに、コニちゃんが突撃する。

魔法障壁を拳で砕き、重装兵を薙ぎ払う。

怒涛の破壊まさに“破壊王”の異名にふさわしい暴れぶり。


「この……怪物め!」


「怪物じゃないもん! 元・アイドルぅうう!!」


戦場は混乱を極めるが、護は冷静に全体を制し、ついに傭兵たちは降伏を余儀なくされる。


勝利の余韻が残る中、護は傭兵隊長の遺品から分厚い書類の束を発見した。


「これは……?」


エイミーが読み上げる。


「“勇者転生計画 第七期対象:日本国民 候補者リスト”……? なにこれ……人間の軍が、意図的に異世界に勇者を転生させてる……?」


「しかも、次の候補はすでに送り込まれた……日付が……昨日?」


護の手が震える。


「予定より……早い。何かがおかしい……このゲーム世界に、何かが起きている」


月明かりに照らされたミリュアの泉が、淡く赤く染まっていた。


護はその光景に、説明のできない不安を感じ

思わず、身震いした。


「……やばい。これは、いつものゲームじゃない。何かが、本当に動き出してる……」


その頃、転生勇者アレスはオーク族の村を蹂躙して殺戮。壊滅をさせていた。


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