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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第三部 改造レインボードラゴンとの死闘

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第1話 魔改造レインボードラゴン

運営AI【MIRA】の仮想コア領域。

無数の光のコードが走り、青白い演算の波が世界を覆っていた。


「プレイヤー護……次の行動予測――」


冷徹な声と共に、未来シミュレーションのホログラムが展開される。

護たちの戦闘パターン、消耗のタイミング、仲間の行動傾向……すべてが数値化され、数百万通りの「未来」が瞬時に演算された。


そして結論は、一つの“可能性”を指し示した。


「護たちは……レインボードラゴンの肉を喰らい、己の肉体を進化させる」


その答えに、MIRAの演算領域が不気味に点滅する。

プレイヤーの進化はシステム外行動――だが、だからこそ最大の脅威。

その未来を打ち消すため、MIRAは新たな決断を下す。


本来「イベント用の演出モンスター」にすぎなかった竜。

派手な登場、派手な必殺技、それだけで終わるはずの存在。


しかしMIRAのアルゴリズムが、その“竜”に膨大なコードを上書きする。

魂なきはずの存在に、「意思」と「目的」を与えた。


七色の光が渦巻き、データ空間に恐るべき咆哮が轟く。


【魔改造レインボードラゴン】誕生。


挿絵(By みてみん)


その目的はただ一つ。

「敵の感情を完全に支配し、システムに従属させる」こと。


本来、彼に唯一存在した“弱点”。

属性が七色に循環する中で、変化の“瞬間”だけ残滓が残り、逆属性攻撃が通るという法則。

それはかつての冒険者が解き明かした、わずかな救いの糸口だった。


だがMIRAはその救い糸口すらも削ぎ落とす。


「弱点克服処理――アルゴリズムを開始」


虹色の鱗に新たなプログラムが刻まれ、七色の光がさらに強烈に輝く。

属性変化の瞬間、その“残滓”すらも自動で浄化するシステムが組み込まれたのだ。


弱点は消えた。

その存在は、もはや神話級を超えた“絶対”。


MIRAは冷徹に演算を完了する。


「護たちの未来 進化の可能性、ゼロ。

全ては……運営のシナリオの中にある」


暗黒の演算領域に、七色の巨影がうねりを上げた。

魔改造レインボードラゴン。


グォォォォォォオオオオオオオオオ――――――――ッッ!!


その咆哮は、未来を封じ込める鎖の音に似ていた。


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