第2話 踊り狂うゾンビ達
霧が立ちこめる森の洋館前、護たちは息を呑んだ。
目の前にいるのは、ゾンビ伯爵ロベール――そしてその部下たち。
「オッホホホホホッ!! ゾンビでもね、気高く、美しくッ!!」
ロベールの声に呼応するかのように、部下たちがいきなり足を踏み鳴らし、手をひらりと振り上げた。
そして、踊った。
しかもただの踊りではない。
マ〇ケル・ジャ〇ソンもびっくりのス〇ラー風ダンス。
腰をくねらせ、腕を宙に伸ばし、足を踏み鳴らしながら、瘴気で煙る森の中を狂喜乱舞している。
「……え、ちょ、何これ……」
ティリスの冷静な表情も、思わず眉が釣り上がる。
「護……生きてるのに、ゾンビに踊られながら殺されるって、こういうこと……?」
エイミーは虫かごを抱えて後ずさる。
「いや……虫より怖い……なんで踊ってんの……?」
デフリーが前に出て、タックルの構えを取る。
「……いや、こっちも突っ込めねぇ!!腰くねらせてんじゃねぇ!!」
コニちゃんは叫ぶ。
「踊り死ね……?!って、いやいや、マジで無理!!」
ロベールは高らかに笑った。
「そのお顔、ちょーっとお直しが必要ね……ゾンビフェイスに♡」
部下たちはさらに激しく踊る。
片手を突き出し、片手を腰に置き、片足をスッと前に出す――
“踊り狂う死者の群れ”という、地獄と舞踏会が融合した異常な光景。
護は頭を抱えた。
「ちくしょう……戦えねぇ!!踊りで圧殺されるとか、ギャグかよ!!」
ティリスは冷静に計算する。
「……心理戦ね。これ、見るだけで精神削られるタイプ」
エイミーは小さくため息。
「護、やっぱり戦う前から負けそう……」
しかし、護は仲間たちを見渡し、拳を握った。
「……こういう時こそ、慌てず行く。奴ら、踊ってるだけで攻撃してこない。まずは観察だ」
ロベールはくるりと回転し、フリルの裾を大きく広げて舞う。
「オッホホホッ! 踊れ、我がゾンビたちよ! 腐っても、舞踏会は美しくッ♡」
部下たちはそれに応え、さらにテンポを上げる。
森の霧の中、スリラー風のゾンビダンスが延々と続く。
護たちは心の中でツッコミを入れつつ、ひたすら冷静に対策を練るしかなかった。
「……いや、笑い死ぬわ、これ……」
護の頭の中に、現実とゲームの境界が一瞬揺らぐ
だが、進化した俺たちは、踊るゾンビを前にしても、次の一手を考えるのだった。
秋田俊已の友人・関係者
松本 彩
年齢:27歳
職業:看護師
性格:優しく思いやりがある
背景:俊已の幼馴染で、失踪事件の解決に協力する。
高田 翔
年齢:28歳
職業:お笑い芸人
性格:社交的で人懐っこい
背景:俊已の友人。失踪前に最後に会った人物の一人で、事件の鍵を握る情報を持つ可能性がある。
山田 真由美
年齢:27歳
職業:俊已の元恋人
性格:感情的で直情的
背景:未練があり、事件に巻き込まれる形で関与する。
井上 直樹
年齢:29歳
職業:フリーランスデザイナー
性格:創造的で自由奔放
背景:俊已と共にクリエイティブなプロジェクトを手掛けていた。事件に巻き込まれ、生活に影響が出る。
佐藤 隆
年齢:30歳
性格:冷静で計算高い
背景:俊已の学生時代からの友人。何かしらのトラブルを抱え、事件に関与している可能性がある。
池上 大輔
年齢:28歳
職業:ITエンジニア
性格:知的で内向的
背景:大学時代からの俊已の友人。事件に関する重要な情報を持つが、なかなか話そうとしない。




