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【5万4千PVアクセス突破 全話 完結】『最初に倒されるはずのボス、ホブゴブリンの俺。転生して本気出す。〜3年後に来る勇者を倒すための準備録〜』  作者: 虫松
第三章 勇者の誕生とエルフ族

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第3話 進化後の訓練と再出発

俺たち魔物パーティーが新たな大地へと踏み入れた。

進化した俺たちは、見かけも少し変わった。オーク族のデフリーはプロの料理人でみたいだ。


まもる【ホブゴブリン → ゴブリン隊長】

「俺が……隊長……? ふん、悪くないな」


かつてただの武闘派だった護は、進化と共に冷静な“頭”を得た。

今や彼の頭には、戦場を支配する術が宿る。


「罠設置、よし。突撃タイミング、今……包囲網展開っ!」


木の枝に引っかけたロープが敵兵を宙に吊り上げ、落とし穴が次々に開く。

かつての野生児が、まるで探検隊の隊長だ。


「ま、俺が司令塔ってわけやな」


なんかムカつく。


■ デフリー【オーク → オークソルジャー】

「飯つくるでェエエ!!」


進化した結果、なぜか筋肉だけじゃなく料理スキルもブーストしたコック・デフリー。

彼が炒める特製“スタミナ鉄鍋ホルモン”は、味も栄養も爆発級。


「こ、これは……一口食っただけで、体力がフル回復……!」


さらに“バフ効果”も乗るおまけ付き。

デフリーの料理で全軍の戦闘能力が1.5倍に跳ね上がる。


「やっぱ、いくさはメシや! ワイのフライパンは最強やで!」


フライパンが怪しく光ってる。


■ エイミー【リザードマン → リザードシャーマン】

「ふふ、これが呪術の力……」


神秘のベールをまとったシャーマン・エイミーは、魔法陣を空中に描いて

仲間に回復魔法をかけたり、敵に呪いを刻みつけたりできるようになった。


「大丈夫、痛くないわ……悶えた終わったあとに死ぬだけよ♡」

その笑顔が一番怖い。


■ コニ【トロール → ボストロール】

「こーにちゃーーんッ!!!アタック!!(ドガァァァァァァン!!!)」


そう叫びながら突撃してくる影。

その名は、コニ。かつて地下アイドルだった彼女は、いまや破壊王である。


怒涛の突進は木々をなぎ倒し、岩を砕き、味方すら吹き飛ばす。

皮膚は硬化して石のようにゴツゴツと変質し、剣の一撃すら通じない。


「ウヒョーーーー!! あたし、みんなのためにがんばるッッ!!」


いや、その“がんばり”が脅威なんやけど。


護「コニ! 止まれ! ……コニ!? 聞いてるか!?」


デフリー「わー! 鍋ごと吹き飛ばされるーッ!」


エイミー「ちょっと! 呪いの詠唱台がッ……!」


暴走する元アイドル。人類の脅威と化したトロール娘。

もう誰にも止められない。


やがて、森の外れに人間の斥候が現れる。


「奴ら……“進化”しているぞ……!」


村を壊滅させられた人間たちは、進化した魔物たちを討つべく、

一つの魔物討伐隊を結成しつつあった。


その情報が、護の耳に届く。


「来るか……ならば迎え撃つだけだ。俺たちはもう、昔の“モブ”じゃねぇ」


護が振り返ると、破壊王コニがノリノリで鉄球をぶん回していた。


「人間達よ

……絶望せよ。我が名はボストロール コニちゃん」


進化した魔族らの反撃が、いま始まる。


夜の野営地で焚火の周りで眠る魔物の仲間達、俺は星空を見上げた。


「……この“ゲーム”……本当に俺が知ってるやつなんか?」


護の背中を、冷たい風がなでたような感覚が走った。


身体が、自然と震えていた。

怒りでも、寒さでもない。


これは、恐怖だ。


「……なんで……寒くもないのに……」


その呟きとともに、焚き火が静かにパチパチと鳴った。

世界が少しずつ狂い始めている。


そして予定よりも早く勇者は、この世界に出現した。

転生勇者アレス。この世界を狂わす最恐の勇者。

その名がもたらすものを、護はまだ知らなかった。

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