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第4話 「最終決断 護の想い」

最上階《神命の玉座》

玉座の奥に広がるは、金色と白銀が交差するデジタルの虚空。

その中心に浮かぶ、透明なキューブ状のインターフェース。


「ゲーム創造者専用操作盤」


その後ろに立つのは、創造神セフィロス=コード。

仮面を外したその男の正体は、かつて“伝説のブレイブ・レガリア”を設計したゲーム開発者


今田敏夫いまだとしお


護は一歩、透明なコードの床へと踏み出した。


「……見たぜ、あんたの“自分大好きミュージアム”。過去の栄光も、敗北も、未練もな」


セフィロス=コードは静かに目を閉じた。


「そうか。あれは……生前の私が、いつか創ろうと夢見ていた“プレイヤーの歩む記憶と開発者の魂をつなぐ空間”だった」


「そんな美談にするなよ。あれはプレイヤーに自分の思想押しつけてる、最悪の開発者の歴史だろ」


「……はは、厳しいですね。でも、それでいい。あなたがそう感じたなら、それもまた“真実”だ」


「護。君は今ここで、この世界を“元のブレイブ・レガリア”に戻したいと願うのか?」


「ああ。アレスが壊した世界を、命を、戻したい。それが、俺の答えだ」


セフィロスは、後ろの操作パネルを指差した。

その表面には赤く点滅する文字列が浮かび上がる。


【REBOOT_PROGRAM.EXE】──初期世界へ再構築


「ここにある。元の“駄作”のブレイブ・レガリアに戻すためのコードだ。私はそれを用意しておいた。だが」


彼は、ゆっくりと振り返り、護を見据えた。


「それを“実行”した瞬間……すべての進化は失われる。君の肉体も、魂も、記憶すらも消える。

仲間達は、ただの“魔物のモブの雑魚キャラ”として……何も知らずに生き、やがて勇者に簡単に殺される存在になる」


護は唇をかみ締めたが、目を逸らさなかった。


「……後悔なんてしない。記憶が消えるなら、仲間たちとの思い出は俺だけが覚えていればいい。

世界を壊したままにするよりは、よっぽどマシだ」


セフィロスは、ほぉ、と感嘆の息を漏らす。


「それでも考えを変えないか。君は、自分の意思で“未来”を捨てようとしているのだ」


「だからこそ、変えない。“自由”ってのは、選ぶことだけじゃない。“選んだものを背負う”ことなんだ」


静寂が落ちた。


塔の空間全体が、護の言葉を記録するかのように低く振動する。


そして


「ならば、その願い……君自身の“力”で掴み取ってみせろ」

「神である私を消去してみせろ」

「この創造神セフィロス=コードをな!!」


閃光とともに、男の姿が変貌する。

全身は白銀のデータコードで編まれ、背中には六対の輝く羽が出現する。


顔は人間のまま、だが瞳は“演算式”のように常に流れ変わっていた。

彼こそ、この世界すべての設計・記録・破壊を司る神。


「君たちは面白いエラーだ……」

「だが、エラーは“修正”されねばならない。それが、ゲーム設計者の責務だ」


塔全体が警報のように唸り出す。


《アーク・ロア=クレスト》最上階が変貌する、。

空間そのものが演算戦場オーバーデバッグ・ゾーンへと再構築される。


天井も床もなく、すべてが“数式の海”となり、

コードの嵐が渦巻く中、神の剣が顕現する。


白き斬光剣セフィリオン・エラー

ゲーム神がプログラムの“バグ”を修正するために持つ、世界消去の剣。


「来い、護。君が最後の変数ならば……この神を、打ち壊してみせろ!」


護もまた、仲間たちと共に一歩前へ出た。


「俺は、俺たちは、“創られた正解”じゃない。“戦って選んだ未来”を信じる!」


「行くぞ、みんな!これは……元の俺たちをとり戻すの最後の闘いだ!」


ついに始まる、

創造神 vs 転生者と魔族の運命の最終決戦が。


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