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第13話 次々と倒れる仲間たち

爆音。

地鳴り。

そして破壊の風――。


「コニちゃんがやられた……!?」

護が振り返るその隙を狙い、アレスが突撃した。


「ほな次、行くでぇ――!!」

黒い残光を引きながら、アレスは僧侶・デフリーに標準を合わせる。


「く、来い……《お玉の鉄壁》!」

デフリーはお玉の杖を天に掲げ、光の結界を発動させる。


だが。


「そんなもんッ、何枚重ねてもッ……砕けるんやッ!!」


アレスの魔剣が火花を散らしながら結界を突き破る!

一閃!

お玉の杖が粉々に砕け、デフリーの体が吹き飛ぶ!


「う、うわああああッ!!」

彼は岩壁に激突し、血を吐いて崩れ落ちた。


「デフリー!!」


ティリスが叫び、すぐに氷の魔力を展開。


「《氷棺・牢域》……!」


周囲の空気が瞬時に凍り、アレスの動きを封じようとする。


その横で、エミリーも叫んだ。


「今よ!ティリス、凍らせて!!」


槍に雷光を纏い、地を蹴る。


「《雷穿・双牙》!!」


ティリスの氷と、エミリーの雷。

2つの属性が交差し、アレスの胴体を一閃!


「……っしゃあああッ! 決まったか……!?」

エミリーが手応えを感じたその瞬間――


「――決まってるのはお前らの方やァッ!!」


氷を砕いて飛び出したアレスが、爆発するように暴れ出す。


「《魔爆陣・逆輪》ッ!!」


周囲に展開された黒紫の魔方陣が、炸裂するように弾けた!


「きゃあああああッ!!」


エミリーの体が吹き飛び、床を転がり――壁に激突!


「がっ……ごふっ……!」


そのまま意識を失い、崩れ落ちる。


ティリスも咄嗟に氷壁を張るが――


「逃がさんでぇえええッ!!」

アレスの剣が氷壁ごと真っ二つに裂いた!


「ぐぅあっ!!」

ティリスの身体が宙に舞い、壁に叩きつけられる。


バリィィィィィン!!


魔力の衝撃で洞窟の柱が崩壊する。

ティリスは動かない。


残されたのは――護、ひとりだった。


荒れ果てた玉座の間。

崩れた岩と、仲間たちの倒れた姿。

血のにおいが、重く空気を染める。


アレスがゆっくりと歩いてくる。

その顔は、狂気に満ちた勝者のものだった。


「お前も独りぼっちになっちゃったの〜?」


アレスは、にたりと笑う。


「結局こうなるんや。な? 仲間なんてクソや。最初からいらんのや。」


護は息を荒げながら、盾を構える。

全身傷だらけ。だが――その目は、まだ死んでいない。


「仲間を信じたせいで、こうなったんやろ?」

アレスが一歩近づく。


「せやから教えたる。『仲間』なんて幻想や。裏切るか、先に死ぬかや。」


その目が、まっすぐ護を貫いた。


「仲間を信じてる、お前に……教えたるわ。」


「ほんまもんの“孤独”ちゅうもんをな!」


洞窟が再び震える。

剣が唸る。

狂気が、絶望が、勇者アレスに牙を剥かせる。


そして、最後の一騎打ちが幕を開ける!

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