『ミュータブルハンター』

⑻『ミュータブルハンター』

⑻『ミュータブルハンター』

㈠

ミュータブルハンターの真骨頂は、何と言っても、可視化されないことだろう。云わば、文字の上を生きていると言っても、過言ではあるまい。そういう訳で、俺はその正体を突きとめようにも、全く、訳が分からないんだ。

㈡

どうすれば良い、と、軽々しく人に聞くことは出来ない。狂人だと思われそうだし、なんせ、これは小説なのであるから。こういう、常套句で逃れられる程、ミュータブルハンターが、危ういことくらいは、百も承知なのではあるあが。

㈢

かと言って、この小説を放り投げる訳にも行かない。真摯に対峙して、ミュータブルハンターについて、書かねばならないという、つまり、ー責任ー、を負ったのであるから。書けるだけ書くさ、視界が霞んで、視力が衰えてもね。