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⑽『ミュータブルハンター』
⑽『ミュータブルハンター』
㈠
ミュータブルハンターの勢いは、どこまでも自我を、貫くことなんだろう。俺の苦悩をよそ眼に、ただ、ミュータブルハンターは現象しているのであって、それがどうしたと言わんばかりに、更なる現象として現象している様だ。
㈡
確かに、ミュータブルハンターは、独立したものであろう。訳が分からないとしても、ミュータブルハンター自身は、訳が分かっているのだろうから。俺は、心底、ミュータブルハンターと、小説で出会えたことが、嬉しいのである。
㈢
こういう機会もないと、無常やら、狩り人やらと、出くわすこともないのだから。机上の空論的小説だとしても、ミュータブルハンターは、実際常に、その現象から闇へ、闇から現象へと、移ろい行くものだ。ミュータブルハンターよ、どうか、ごきげんよう。




