あとがき
精神疾患を持っている人は年々増え続けている。国もそれに呼応するかの様に精神障害者を含む障害者の法定雇用率を上昇させている。
障害者の社会進出は少子高齢化の進む現代では必要不可欠な担い手である事に違いはない。
双極性障害(躁鬱病、気分障害)の場合、薬物療法がハマれば寛解状態の維持は難しくはない。その為、他の精神疾患と比べても、比較的社会復帰しやすい病気であると言える。
今は昔と違い、双極性障害にアプローチ出来る薬の選択肢が格段に増え、より効果的な治療が出来る様になった。後発医薬品(ジェネリック医薬品)も多数あり、双極性障害を含む精神障害者の寛解状態維持は莫大に増加している。
しかし、法定雇用率は設定されているものの、達成している企業は全体の半分にも満たない。障害者雇用で社会復帰を目指す精神障害者は確実に存在する。
その人達の為にも、健常者の双極性障害への理解に本作が役立てば幸いである。精神疾患は脳の機能不全で起こるものであり、精神病=メンタルが弱いのではない。これは本作で何度も述べて来た通りである。どうかそんなポンコツ脳を不運にも持ってしまった精神障害者にご理解をして欲しい。
ユウタも玄ちゃんも、ちゃんと社会復帰している。それぞれ努力し病気と上手く付き合いながら生きている。入院もせず、社会生活を送れている事に感謝し、せんえつながらあとがきとさせていただきます。




