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Yuuta's Life ~双極~  作者: 佐久間五十六


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突破口

 ユウタの場合、躁症状の強い双極性障害Ⅰ型であり、現状はバルプロ酸ナトリウム錠と言う気分安定薬を軸にオランザピンやクエチアピン等の抗精神病薬を用いた薬物療法が行われている。頓服薬としてリスペリドン内用液1mgを処方されている。


 ユウタは頭が混乱した時にこの頓服薬を服用している。客観的に見れば、ユウタの状態は頓服薬を処方されている事をかんがみると完全に寛解し安定しているとは言い切れないが、きちんと処方されている薬を飲む事も出来るし、社会生活を送れているのでまぁ、問題は無いのであろう。


 とは言え、元は重度の躁病エピソードを多数持っているユウタだけに、社長やM病院の主治医の言う事には従っている。再入院だけは絶対NGだからである。


  だから最後の砦である頓服薬を使ってでも、寛解状態を保とうとする姿勢は評価に値する。頓服薬は守りの要と言われるのは、24時間365日いつ飲んでも効果がある為である。不穏時薬とも呼ばれる理由はそこにある。


 とは言え頓服薬を使わず寛解状態を保てるならば、それは理想的である。


 玄ちゃんの場合、頓服は使用していないがハロマンスと言う注射を28日に一度(4週に一度)射ち、1日約20錠の薬物療法で完全寛解状態を保っている。


 どっちが良いとか悪いとかと言う二元論的な話ではなく、玄ちゃんには玄ちゃんの、ユウタにはユウタの治療方針と言うものがある。玄ちゃんは薬に頼り過ぎていると言う見方も出来るし、社会生活もほとんど無い玄ちゃんは主治医と両親と相談して一歩踏み出す勇気が必要なのかもしれない。


 玄ちゃんはユウタより遥かに重度の双極性障害Ⅰ型であり、今は安定しているが、それは度重なる薬物療法の賜物であり、20年の病歴を持っている玄ちゃんには玄ちゃんなりの突破口が有るのかもしれない。


 一つ一つの躁病エピソードをつまびらかにするのは、個人情報にあたるのでやめておくが、ユウタも玄ちゃんも多数の躁病エピソードを持っている。

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