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Yuuta's Life ~双極~  作者: 佐久間五十六


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20/32

棘の道

 玄ちゃんの場合は高校3年の時から罹患しているから、もうかれこれ20年。この双極性障害とお付き合いしているから、さぞ色々な事があった。


 ユウタも凄まじい躁状態だったが玄ちゃんはそれ以上だ。ポリ公の世話にもなっているし、ワッパもかけられた。医療観察法による強制入院や措置入院も経験している。


 躁状態の時は自分が地球の中心であり、粗暴で1日2、3時間の睡眠で済む。気が付けば薬を飲まなくなり、躁転しているというケースを何度も経験している。


 玄ちゃんの主治医であるドクターKは躁転=スパークと表現していた。そのスパークに効く薬を見つけるために、4ヶ月位隔離にぶちこまれていた。


 今でこそ、薬物療法がそのスパークを抑えてくれているため、退院して5年が経っても完全寛解状態を継続している。後はいつになったら社会復帰を出来るのか気に病む玄ちゃんであるが、1年半後には、玄ちゃんの父が65歳の定年を迎える。


 その頃までには仕事が出来るのではないかと見ている。俺の30代は病気に支配されていたぜ。と笑って振り返れる時が来ると良いのであるが。


 そんな大病からしたらユウタの躁状態など大したものではない。


 玄ちゃんもユウタと同様に障害年金を受給しているが、それは父が管理している。障害等級は2級で、自立支援(指定の窓口負担1割)を受けているため、毎月の医療費は約4000円でお釣りが来る程度に抑制されている。


 それがなければ、3割負担で1万円。保険証無しの場合3万円の自己負担となるから、末恐ろしい。玄ちゃんは父の扶養に入っているため、玄ちゃんは働いていなくても保険に入れている。


 数年後には玄ちゃんの社会保険に父や母を扶養する事になる事を想像するのは容易である。さらに現在の主治医も高齢の為、ドクターK(主治医)がどのくらい勤められるのかは分からないが、玄ちゃんが50代に成る頃には主治医が変わると見ている。


 玄ちゃんもこの先に待つのは棘の道である。

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