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 そう言う点で見ると、ユウタは双極性障害Ⅰ型に該当する。鬱状態から入ったが、躁状態の方が遥かに激しい。その為鬱が重い双極性障害Ⅱ型には一致しない。


 今は薬物療法で激しい躁状態を抑えており社会生活を送っているが、離婚するまでの10数年間の結婚生活でヒトミや子供達には病気のせいで苦労をかけた。


 双極性障害の躁状態を繰り返し浮気やギャンブルをするユウタには、ほとほと愛想が尽きた。ユウタ33歳の事であった。親権者は3人ともヒトミが持つと言う条件で離婚が成立した。


 独りになってしまったユウタは実家に戻り、両親の元で生活をする事になる、M病院に通いながら、双極性障害の病状のコントロールにユウタは専念した。


 しかし当時の主治医(N藤先生)と折り合いが悪く、最初は良い先生だと信じていたが、病気の症状があまり改善されない事から不信感をつのらせる。


 N藤先生が勇退してからは二度三度主治医が変わった。今のN澤先生に落ち着いている。N澤医師はN藤先生とは違い、ユウタは信頼出来る医師だと感じている。


 薬物療法もかなり的確で、薬の量自体もユウタとしっかりコミュニケーションを取って調整している。頓服薬も処方してくれるし、ユウタはN澤医師を信頼している。


 離婚してからは、今度は両親に迷惑をかけた。逆刃刀で親父を殺そうとした事もある。中々薬物療法がピタリと決まらず複数回入院。状態が悪い時は隔離にぶちこまれた事もあった。


 双極性障害Ⅰ型(躁鬱病・気分障害)である事は誰の目にも明らかなのだが、ユウタにピタリと決まった薬物療法は今も確定してはいない。微調整を繰り返している状態である。


 離婚した直後はそれこそ不安定の極みだった。もう10年以上前の事だから、大して覚えてはいないのだが、今まで家族と離れ離れになる所謂喪失体験による鬱症状もあったため、余計に躁状態の反動はものすごく大きかった。だから、入院させて様子を見たのであった。ラピッドサイクリングになりかけていたのかも知れない。そのくらい病状は悪かった。

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