双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型
誰しもが病気になりたくてなっている訳ではない。
双極性障害のはっきりとした原因は不明だが、脳の働きをコントロールする神経伝達物質のバランスが崩れる事が関係するのが分かっている。
その他にも遺伝や生活習慣やストレスなどの環境要因も関わっているとされ、20歳前後で発症する事が多い病気である。
双極性障害にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅱ型の軽躁状態はⅠ型の躁状態に比べて症状が軽く、社会的には問題も少ないので双極性障害Ⅱ型は双極性障害Ⅰ型よりも軽い病気であると、勘違いされがちだが、そうではない。
双極性障害Ⅱ型は双極性障害Ⅰ型に比べてコントロールしにくく、鬱症状が重い(再発しやすい)と言われている。どちらにせよ、早期の治療が肝心である。
双極性障害は予防療法を行わなければ、ほとんどの場合再発する病気と考えられている。再発を繰り返す内に社会的信用や財産や職を失ってしまったり、家族に見捨てられてしまう事もある。
また、再発する度に次の双極性障害発症までの期間が短くなって行く。度重なる再発は急速交代化を誘発する恐れがある。ラピッドサイクリングになってしまうと、予防療法の効果が現れにくくなり、調子の良い寛解期間がほとんど無くなってしまう恐れがある。
また、躁状態と鬱状態が混じって現れる混合状態では、「消えてしまいたい」と言う気持ちが強くなる一方で行動的にもなるので、最悪の事態を避ける為にも注意が必要である。
この病気は再発を繰り返す度に次の再発までの期間が短くなり、悪化しやすくなるため、最も重要なのは、再発を予防する事である。
具体的な方法としては、薬物療法と心理社会的治療が用いられる。双極性障害特に双極性障害Ⅰ型の薬物治療は長期間に渡り継続して行く必要がある。薬物治療の基本となるのは気分安定薬と抗精神病薬であるが、一番大切な事は病気を受け入れ薬を飲み続ける事である。
それにより症状を安定させ、コントロールしながら社会復帰をする事が出来る様になる。とにかく双極性障害Ⅰ型もⅡ型も不治の病である為、糖尿病や高血圧と同じ様に薬さえ正しく飲んでいれば、症状が悪化するリスクはほとんど無くなる。完全寛解状態の維持を続けていれば、高確率で社会復帰を出来る病ではある。