病のシグナル
躁病(双極性障害の躁状態)にはいくつかのシグナルがある。
例えば、寝なくても活動出来るとか、誰彼構わず声をかけるとか、急に暴力的と言うか粗暴になったり、ただ、テンションが高いのとは明らかに違う事が分かる。
ギャンブル(ユウタの場合はパチンコ)にのめり込んだり、必要性のない買い物を繰り返したり、するのも双極性障害の躁状態のシグナルである。
かと思えば、急に死にたくなったり、テンションが急に下がり鬱状態になる。薬物療法をしていないと、双極性障害の場合躁状態と鬱状態を波の様に交互に繰り返す。
と言われているが、鬱はあまり出ない躁病気味の双極性障害の人や、鬱状態が酷く躁状態はあまり出ない鬱病気味の双極性障害の人もいる。ユウタの場合は鬱症状の少ない躁病気味の双極性障害である。
罹患して10年以上立つが、あらかたの治療薬は試した。結果今は、朝食後にバルプロ酸ナトリウム200mg×2錠、夕食後に同じバルプロ酸ナトリウム×2錠、寝る前にオランザピン10mg ×2錠、クエチアピン25mg ×2錠、フルニトラゼパム2mg 錠を1錠服用している。
双極性障害の場合は気分安定薬と抗精神病薬を混ぜて服用させる事が多いが、ユウタの場合中心となっている薬はバルプロ酸ナトリウム錠と言う気分安定薬である。
ユウタは該当していないが、双極性障害の約80%の人がリチウム(リーマス)で寛解する。と言われているが、ユウタの様に体質に合わないとか、副作用が酷い場合には他の気分安定薬を軸とするケースが双極性障害の薬物治療の基本だ。
それはプロの精神科医のさじ加減で、見極められるものである。とは言え、プロの精神科医でも初見で双極性障害を見極めるのはかなり難易度が高い。診察の回数を重ねてようやく良質な薬物療法が可能となる。