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ラン・ルーシー  作者: アズ
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VS炎の巨人エリミネーター

 スキンヘッドの男が動く数分前。ドローンを次々と破壊しながら移動するシーラに対して遂に男はドローンによる一斉攻撃をしかけた。まず、遥か上空からドローンによる無数の爆弾投下、更に自爆用ドローンも上空からシーラを狙いつつ急降下し、無数の爆発を起こした。しかし、それだけでは留まらず念には念をと毒ガスまで蒔き散らした。

 一人の子ども相手に全力で殺しかかる。それには随分と派手にやり過ぎなこともないが、カーラが殺られたとなればそうも言ってられない。より確実な方法でやる。だが、そのせいで上空からの敵の視認が一時的に出来なくなる欠点があった。

 それでも、あの連続攻撃で生き延びられるとは思えない。普通ならばそうだ。だが、上空を飛んでいたドローンのセンサーが反応を示し標的の移動を確認した時には流石のスキンヘッド男も驚愕した。

「マジか……」

(あれで生きてんのか。だが、何故だ。どうやって防いだ? 毒は?)



 それから数分、別の逃げた女を追っていたボウがやられた。

 ボウはメンバーの中ではユグドラシルのエネルギーを奪い、それをあのお方に供給する役割があった。これで神を復活させても、復活させたばかりでなくエネルギーが奪われた神は弱体化し、その神をあのお方が一体化する際、その神を自分に上書きさせ乗っ取る。これが計画だった。ボウは既にその役割を果たし最後は兵士として戦って散った。

 自身もラグナロクを引き起こせた時点でその役割を終えていると言っても良かった。それでも自分がまだ存在し続けているのは戦いとしての駒だからだろう。

(ここで安全地帯に居続けても意味が無いな)

 こうして男は直接、女を退治に動き出したのであった。




◇◆◇◆◇




 その頃、一人エリミネーターを退治に向かったロジャーは目の前にいる敵、炎の巨人を見上げていた。

「勢いでここまで来ちゃったけど……あれとどう戦えばいいって言うんだ?」

 炎の巨人エリミネーターはロジャーに気づくと、炎の剣を構えた。それは炎を纏わなくても巨人に合わせた大きさだけでも十分破壊力ある武器だった。

 僅か、互いが相手の様子を伺っていると、遠くで派手な爆発があちこちで響き渡った。

「何の爆発だ?」

 ロジャーが爆発音がした方角へ僅かに目をそらしたその瞬間! 炎の巨人は地面を強く蹴り、一気に走り出した。

「うわっ!」

 すると突然ロジャーの持っていた剣が左方向へ引っ張り出した。

「なんだこの武器!?」

 ロジャーがそれを言う間もなく剣はロジャーをどこかへと誘導していく。それを追いかける炎の巨人。

 ロジャーの手は不思議な力で『勝利の剣』から離れられないようになっていた。その『勝利の剣』の剣先が空を向くと、ロジャーの腕も必然に持ち上がった。

「おい、待て。すっごく嫌な予感がするぞ! やめるんだ。絶対にやるなあああああ」

 言ってるそばから剣は上空へと飛び、それに掴まるロジャーも必然に空へ引っ張られた。

 ロジャーは剣と共に空を飛ぶと、方向転換しながら炎の巨人の方へと向いた。下にいる炎の巨人は空にいるロジャーを見上げた。

「こ、今度は何をするつもり?」

 炎の巨人は剣を構えると、それを上空にいるロジャー目掛けて剣を払った。それは飛ぶ斬撃というより剣から溢れ出た炎はドラゴンが吐くブレスの如く上空にいるロジャーを焼滅ぼさんと襲いかかった。

 すると即座に『勝利の剣』が反応し襲う炎を真っ二つにした。それは海を二つに割るように炎の壁が左右に分かれ、その間を突っ切るように『勝利の剣』は炎の巨人目掛け急降下した。

「死ぬ死ぬ死ぬ!!!」

 ロジャーは叫んだが『勝利の剣』の勢いは止まらなかった。

 速度は炎の巨人の手前で最高地点に達する。それは光速をこえ巨人を纏う炎の熱すら感じる隙もない程に、それは本当に一瞬の出来事だった。




◇◆◇◆◇




 ロジャーが意識を失っていたのはどれぐらいのことか。まだ、黄金都市では誰かが派手にやっているのが、爆発音が響いていた。さほど長い気絶ではない。

 その頃には炎の巨人は消えていた。彼はまだ炎の巨人を真っ二つにしたのを自覚していない。

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