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ラン・ルーシー  作者: アズ
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ヨルムンガンド

注意・申し訳ありませんが前話でだいぶ加筆、修正しています。

 『愛』のエリミネーターがルーシーに移り光が消えると、剣だけが現れ地面に落ちた。ルーシーはそれを拾うと、その剣をロジャーへと渡した。ロジャーはそれを黙って受け取った。

「それじゃ皆、もう時間がないから行こう」




 エリミネーターが用意した帆船は泉から離れた短い森を抜けたすぐ先に隠されてあった。その帆船はバウスプリットのあるタイプで船尾楼には絵の模様が描かれてある船だった。ルーシーはその帆に風のルーンをかけると、風を受けた帆が急に張ると、船は自動で動き始めた。

「海がなくても大丈夫なの?」とジャスミンがルーシーに訊くとルーシーは「ルーンが飛ばしてくれるから大丈夫だよ」と答えた。

 ルーシーの言う通り、船は徐々に水面から離れ浮上しだした。それは森の天辺を越えて空へと船は飛んだ。その空に亀裂が走り世界の崩壊を始めると、亀裂から暗闇の世界が現れだした。船はその亀裂の隙間に向かって真っ直ぐ飛んだ。

 そして、ルーシー達を乗せた船が亀裂を越えると一気に明かりがなくなり、船は世界の外側、暗闇の世界に突入した。ルーシーは火のルーンを使って小さな火の玉を複数出現させ、皆と船周辺に明かりを生み出した。

 サンサ達はその間、甲板から後方を振り向いた。船の後方は先程脱出した世界。それがジグゾーパズルのように崩れ始めている。その更に背後には薄っすらと見えるとてつもなく巨大な影、御神木が見えた。

「あれがユグドラシル……」サンサはそう呟いた。

「でも、消えかかっている」とロジャーが言うと、ルーシーは「そうだよ」と答えた。

「ユグドラシルの世界はあともう少しで消滅する。皆、あれを見て」

 ルーシーがそう言って指をさしたので、皆も更に見上げた。すると、微かに金色に光る明かりが見えた。

「もしかして、あれがユグドラシルの核?」とジャスミンが言った。

 その時だった。皆が見ている方向とは反対側の暗闇から何かとてつもない殺気が放たれた。

「な、なんなの……皆も感じた?」とサンサが言ったあと、皆は頷いた。

「アンノウンだ」

 まだ、殺気を放った正体は暗闇で見えないが、ルーシーは確信を持ってそう断言した。

「皆、よく聞いて。これから皆をあの光のある場所まで船を飛ばすから」

「ルーシーは?」ロジャーが心配そうにそう訊ねた。

「私はここで船を降りる」

「大丈夫なんだよね」とサンサが言うとルーシーは頷いた。

「皆とは一旦お別れ」

 その時、四本の彗星のような光が突如出現し、それは黄金に輝く光に向かって飛んでいった。

「連中だ! もう時間がない。皆、頼んだよ!」

 ルーシーはそう言って甲板から飛び降りると、船は自動で方向転換し、光ある場所へと飛んだ。甲板から皆がルーシーに向かって手を振ると、ルーシーもそれを見て皆に手を振った。

 それから無事船が核の場所へ行ったのを見届けると、泳ぐように手足を動かしながらルーシーは方向転換し振り向いた。

 この暗闇の世界は重力がない無重力。ここでは回避が難しい。そこでルーシーは自分自身に風のルーンを宿した。風で素早く回避出来るように。

 そして、ルーシーは火のルーンで炎の巨大な蛇を生み出した。その蛇はユグドラシルを囲み、近づくものをその炎が遮るようにした。

「ヨルムンガンド」ルーシーはそう唱えた。

 これで準備は出来た。

 ルーシーは深呼吸をすると、暗闇に目をやった。

 来る! ルーシーはそう直感した。




 その頃、船は光輝く場所に到着していた。その光の正体はなんと、黄金に輝く世界だった。船はその黄金の世界に入ると、その世界の中心部に巨大な人の形をした石像があるのを皆は見つけた。石像には緑色のツタが絡んでいて、そのツタには人間も石像にくくり付けられるように絡まっていた。

「あれはもしかして!?」とサンサは言った。そこにいたのはヤン達だった。ヤン達は意識がないのか、全員目を閉じている。

 すると、どこからともなく男の声が響いてきた。

「あの愚かな人間達は神の所有物である黄金に手をかけ欲をかいた大罪人だ。磔の刑に相応しいだろう?」

「誰」とベルが大声をあげると、黄金に輝く『塔』から不気味な音が鳴り響いた。

「皆、黄金の世界に飛び降りるんだ! 炎の巨人エリミネーターが来るぞ」とベルが叫ぶと、皆は黄金の世界へ甲板から飛び降りた。

 黄金の世界は神殿のような建物までもが黄金色をしていた。

 その神殿から女が現れだした。それを見た皆は驚愕した。何故なら、そこに現れたのはなんとルーシーとそっくりだったからだ。

「ルーシー!?」とジャスミンが言うと、ロジャーは即座に「いや、違う」と言った。

「恐らく、あれがエリミネーターの言っていた六人目の駒だ」

 すると、皆の後方からも三人の組織のメンバーが現れだした。

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