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ラン・ルーシー  作者: アズ
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『塔』の装置

 場所変わって、とある円卓。そこには六人分ある席に二人だけが座っていた。一人はヴェロニカ。もう一人は黒の紳士服にスキンヘッドの頭をし、白い髭を生やした男がいた。ヴェロニカはその男へ向くなり「あなたの塔がたった今破壊されたみたいだけど」と言った。円卓の中央には空中ディスプレイが流れ、そこでは世界の崩壊達成状況が表示されていた。その端で赤くトラブルを示すアイコンが出ている。ヴェロニカはそれを見て言ったのだった。男はそれを一瞥してから鼻で笑った。

「だからなんだ。あれの代わりなどいくらでもある」

「私達の代わりもね」

 男はヴェロニカの顔を見た。

「だってそうでしょ? 私達の誰かがしくじったり死んでもあの御方は気にしたりはしない」

「当たり前だ。むしろ、何故そこに不満を感じる? それとも昔の人間だった頃の記憶の影響なのか?」

「そうじゃないわよ。別に自分の代わりがいたって別にそれ事態は構わないわ。ただ、ちょっと悔しいだけ。あなたは?」

「なにも。不要と言われ切り捨てられたとしても、そもそも我々に選択肢はない」

「悲観的ね。 ……ねぇ、あの御方もだけど、エリミネーターって結局なんなの? あなたの大掛かりな『塔』もだけど」

 塔の装置を開発していたのはその男だった。組織に所属する者は全員何かしらの役割が与えられている。ヴェロニカが偽ルーンを生み出したりルーンを研究、開発するように、その男にも塔を生み出す役割があった。

「それについては君も知っていることだろ?」

 エリミネーターはエリミネーター同士仲良くは出来ない。だから同じ場所にエリミネーターが二体以上出現すればエリミネーターは殺し合いを始める。エリミネーターにとって自分の縄張り、世界を守護している役割もあってか、他のエリミネーターに対して攻撃的になる特性を活かし、エリミネーター同士を戦わせている。もし、組織に有益なエリミネーターならそれを組織の目的に利用する。ヴェロニカが知っているのはそれぐらいの知識だった。

「あの御方は最終的にエリミネーターをどうするつもりなの?」

「それを我々が知る必要はない」

「興味はないの?」

「与えられた仕事をこなすだけだ」

「今は何してるわけ?」

「『塔』の装置の小型化と増産の最終段階だ。もし、実現できれば我々の共通の任務はより効率化されるだろう。それより君の方はどうなんだ? 最初の神のルーンの解明とそのルーンのコピーをつくるのが君のメインだろう」

「最初の神が持つルーンは他のエリミネーターのルーンとはどうも違うのよ。色々なエリミネーターからルーンのコピーを何度かしたけど、あれはそれとは明らかに違う。なんというか……別格なのよね。だからこそ、ユグドラシルなんてものが出来たとも言える」

「あの御方はいつまでも待ってはくれないぞ」

「分かってる。でも、行き詰まってるのよ。もっと他のルーンを知る必要がある」

「なら、とっととしたらどうだ」

「冷たいのね。まぁ、いいわ。それじゃ」

 ヴェロニカは立ち上がり、円卓から去った。いるのは男一人だけになった。

 エリミネーターと『信じる者』だけが聴き取れる『歌』 、それを流すのがあの装置の仕組みだ。それとルーンに反応するエリミネーターの特性上、ヴェロニカの偽ルーンは装置にも役に立つ。そのヴェロニカが行き詰まるのは無理もない。エリミネーターにとってルーンを宿している以上、ルーンは重要だ。ルーンを知ることがエリミネーターを知ることであり、それは最初の神をも知ることが出来るということだ。

 男はため息をついた。それから席を立った。

 やはりヴェロニカを手伝った方が得策か、男は一人で行かせたことに後悔しながらヴェロニカを追った。




◇◆◇◆◇




 その頃、ヤン達は裂け目から地下を覗いていた。そこにあるのはなんと黄金の山だった。水も流れていた。

「ようやく見つけたぞ」ヤンはそう言った。

 砂漠でずっと隠されていた場所。そこにはヤン達がずっと探し求めていたものがそこにはあるということ。

 ヤン達の目当ては黄金の果実、食べた者を不老にするという神々の争いのきっかけを生んだともされる果実だった。神々が死に、生まれ変わったとされる中で黄金の果実の行方がずっと不明だった。どこかの神がその黄金の果実を隠したのではないかと言われてきた中で、その手掛かりとなるヒントを掴んではいたものの、ヤン達はそこから見つけだすことが中々出来ないでいた。砂が消えたことで簡単に見つけることが出来たが、それはヤン達以外に黄金の果実を狙っている者達にもいずれ見つかることを意味していた。怪物達の出現が頻発する箇所に狙いを定め調査していたのが無駄になってしまった。これだけのものを隠し通すのは無理だ。

 とにかくできるだけ多くの黄金の果実を見つけ回収するしかなかった。

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