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ラン・ルーシー  作者: アズ
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地下にあるもの

 全身を炎で覆う巨体は太陽から突然降ってきたかと思えば、その巨人の足元から炎が広がり、地面は熱されマグマのように変貌しだした。ドロッとしたマグマはゆっくりと流れながら面積を広げていく。ただでさえトゲのような陽射しで暑いというのに、炎の巨人の登場に更に辺りが一気に気温が上がると、どっと汗が吹き出た。

 あまりの暑さに巨人に近づくことすら危険だと察知したルーシー達は後退りしながら巨人との距離をとった。だが、巨人の狙いは私達というよりそこにいるエリミネーターだった。

 タコのエリミネーターは砂煙を発生させながら逃走しだすと、本体の色が徐々に砂漠の砂の色へと変化しだした。

 それは擬態だった。だが、炎の巨人には関係のないことだった。炎の巨人は燃える巨大な剣を持ち上げると、それを今度は横に振り払った。剣先にから炎がぶわっと吹き出て、炎が一瞬にして広がった。

 タコは砂を吐きながら足を沢山動かして逃げ出した。

 だが、炎の方が先でタコのエリミネーターはその炎にもろにくらってしまった。

 炎に包まれたまま焼かれたタコは暴れ苦しんだ。

「あのタコ、やられるぞ」とベルは言った。だが、その前にタコは何故か此方を、ルーシーの方を向いた。

 その目はなんなのか?

 突然、ルーシーは左の掌に痛みを感じた。掌を見ると、血が出ていて、ルーンが刻まれていた。



 『砂』のルーンだ。


 ルーシーはエリミネーターの方を見た。すると、炎の中にいた筈のタコのエリミネーターは既に消えていた。

「やられちゃったの?」とジャスミンが言うとルーシーは掌を見せ「やられると分かって最後私にルーンを託したみたい」と答えた。

 直後、炎の巨人の標的がルーシー達に向けられた。

「え?」とシーラは言った。

「どうやらこいつはルーンに反応するみたい」

 ルーシーはまだ痛む掌を閉じ拳をつくると、砂漠はまるで意志を宿したように、サラサラと勝手に動き出すと、それは巨大な砂の津波を発生させた。

「もしかしてあれルーシーがやってるの!?」とサンサはルーシーを見た。

 そうだ、砂のルーンの力。

 大量の砂の大津波が押し寄せると、炎の巨人は剣をその津波に向けて突いた。するとその尖端から赤いレーザーが一直線に放たれ、それは砂の津波の中央を突き破った。その中心部から今度は大きな爆発が起こり、燃え上がった炎は瞬く間に砂の津波は炎の津波へと変貌した。しかもその炎の津波は巨人の持つ剣先の向けた方向へと移動を変えた。

 炎の巨人が炎の津波をルーシー達に向けてから、ふと、ルーシー達がいなくなっていることにようやく気がついた。

 炎の巨人は怒り、持っていた剣を地面深くに突き刺した。それから剣と巨人が持つエネルギーを地下に送り込むと、暫くして、広範囲で砂漠から炎の柱が複数同時に立ち上がった。それでも巨人は突き刺した剣を抜き取ることはしなかった。むしろ巨人はエネルギーを送り続けたのだ。こうして大量のエネルギーを地下に流し巨大な爆発を引き起こすと、世界に亀裂が走った。空に浮かび出したオーロラ。そのオーロラはとても美しく、世界がこれから崩壊に向かっている前兆には見えなかった。




 アガーテは突然の空の変化に驚き指差した。

「あれは何!?」

 岩の上にいた他の皆も遠くの砂漠で炎の柱が複数立ち上がっているのを目撃し、いったい何が起こっているのかと、自然とヤンの方を皆が見た。

 ヤンは冷静に「あいつだろう」と言った。それで、誰のことか皆一瞬で同じ顔を想像した。

 その時だった。

 『砂』のエリミネーターがやられ、そのルーンを宿したルーシーは別世界へと避難したことで『砂』の魔法が解けて砂漠の砂は徐々に姿から消していき、ひび割れた大地がむき出しになりだした。遠くで大地の亀裂の隙間から炎が吹き出て、地揺れを引き起こしていた。その地揺れの影響でヤン達の目の前にある亀裂が徐々に開き、更にその下があらわになる。それを目撃したヤン達は驚愕した。

「これは……」

 その世界の地下にあったのは…… 。

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