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百鬼鵺紅  作者: 本堂 咲京
3/10

太鼓

羅生門の下で寝ていると、気がついたら

太鼓を叩いていた。

これは祭りなのか?

〈太鼓〉


ドン、ドン、ドン。

体の芯に響き渡る。

太鼓の音。

気がつくと俺は何かの上で太鼓を叩いていた。

見渡すとどうやらお祭りのような。

だが、何かがおかしい。

お祭りなのに屋台が一つもない。

まずなぜ俺は祭りだと錯覚している?

俺の認識だと祭りは屋台があるもの。

屋台がないのになぜ俺はこれを祭りだと

思い込んでいる?

そんなことを考えているうちに町の遠くから

何かがずらずらと行列を成して行進している。

どこに向かっているのかと思い

進んでいる先を見ると門があった。

よく見ると俺がくぐった門ではないか。

初めて門の全貌を見た。

やはり壮大だ。

もう一度その何かの行列を見ると

すぐそこまで来ている。

よく見ると骸骨や首の長い女性。

目と口、手足がある傘や顔のパーツがない人。

それに河童まで。

伝説上の妖怪が行進している。

この行進が祭りなのだろうか?

その行列の先頭が門を潜ると同時に

目の前が真っ白になる。

「あんたこんな所でなにしとる?」

と女性の声がする。

朝だ。

「なんで羅生門の下で寝とるや?変なかっこもしとるし」

確かに側から見れば変な人だ。

格好も周りから見れば変だし。

「あんた名前は?」

名を聞かれる。

知らない人に名乗っても良いのだろうか?

だが、もしかしたら元の世界に

帰る助けになるかもしれない。

思い切って名乗ることにした。

「零といいます」

「れい?珍しい名前やな〜」

学校でもよく珍しい名前だと言われるが、

この時代からの視点で見ると

別の意味で珍しいかもしれない。

「まぁ、こんな所で話すのもなんやし、

うちに来るかい?」

怖い。

怖いが、行くしかない。

一先ず、この人のお家に上がらせてもらうことにした。

〈太鼓-終-〉

百鬼。

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