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私は「絶対」という言葉が嫌いだ

作者: 箱夢とあ

私は「絶対」という言葉が昔から嫌いだ。

何事にも100%なんていうものはないからだ。


君にそれを伝えても、あまり分からないという顔をする。


それどころか、「絶対を絶対好きになるってことはないってこと?」なんて良いダジャレが思い付いたような顔で聞いてくる。


「絶対という言葉を好きになることはないと思うけど、絶対って言葉を使った文章を肯定したくはないかな」

私はあえて、ゲシュタルト崩壊しそうになるような言葉を選んで君に返す。


その言葉を聞いて、君は「なにそれ」ってすこしむくれて言って、私は「なんだろうね」って笑うんだ。


そんな掴みどころのない君だけど、君は私のことを尊重してくれるって思ってた。


君は絶対って言葉を、私になるべく使わないようにしてたのをわかってたから。


だから、君が絶対って言葉を私に向けて言った時少しびっくりしたんだ。


でもさ、その言葉が「君を絶対に幸せにする」ってプロポーズだったからさ。


絶対が嫌いな私が、絶対って入ってる言葉に頷くなんてしたくなかったけど。


涙でぼやけて視界がぐちゃぐちゃになったから、反射的に頷いちゃったんだ。


プロポーズが成功したと涙目で喜ぶ君を見て、いつしか君が言った「絶対を絶対好きになるなんてありえないってこと?」って言う言葉が頭に浮かんじゃって。


君のプロポーズのせいで、絶対を少し好きになった私に、なんだか君の手のひらの上で踊らされてるみたいに思っちゃって。


だから、君の妻になった今でも、私は絶対という言葉が嫌いだ。

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