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始まる世界と哲の道  作者: 桜庭 遺愛
1/15

prologue

初投稿です。拙い文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。

 目が開いた。


 暗かった。


 何もなかった。


 否、自分は居る。


 ここはどこ?


 俺は誰だ?


「貴方は、前の世界で自ら命を絶ちました。それはあってはならないことです。この場所で反省してください」


 声がする。

 命を絶った。

 思い出す。

 記憶が曖昧だ。

 反省。


「ですが、貴方は少し特別です。よって、異世界でもう一度人生をやりなおすチャンスを与えます。反省の後、貴方の願いを言ってください。その願いに見合った世界へ、飛ばして差し上げます」


 異世界。

 

「制限時間は無限です。では、どうぞ」


 音が消える。


 記憶を辿る。


 笑顔。


 泣き顔。


 笑い声。


 慟哭。

 

 音。


 波の音。


 罪。


 罰。


 贖罪。


 そこからの記憶はない。

 いや……知っている。

 何があったのか。

 何を思ったのか。

 この魂は、知っている。


 詳細を思い出せない。

 それだけのこと。


 ならば、その魂と一体化するだけ。

 今の自分の思考、感情、行動の全てを魂に繋げる。


 心を無に。

 思考を無に。

 ……と、その前に。


「一つ、質問をよろしいでしょうか」


 虚無に向かって話しかける。


「何でしょうか」


 返答がある。


「今から反省点と、願いを述べればいいのですね?」

「はい、その通りです」


 望んだ答えが返ってくる。


「ありがとうございます」


 これで、終着点は確定した。


 よほどのことがない限り、これは変なことを言わないだろう。


「では、お願いします」


 改めて、自分の中へ入る。

 出来るはずもない事をやろうとしているのに、それができるという確信があった。不思議な感覚だが、それが当たり前のような感じもした。


 自分の意識に入り込む。


 ここはどこだと問うた。

 自分は誰だと問うた。


 その感覚を捨てる。


 心と体。

 自分と他。

 主分と客分。


 別れているものを繋ぐ。


 それが何であるかを問う前の状態。


 主語も述語もない。


 全てと一体化した状態。


 そこに到って初めて、魂と自分が同一となる。


 ――そして、自我が壊れる。


「反省―、い―――とを、―――め――と」


 言葉を発する。

 何を喋っているかは、わからない。


「願――、―――――、―――――――――」


 意識のそこへ沈み、感覚が途切れる。


「貴方の願い、受け取りました」


 声ははっきりと聞こえる。

 どうやら、音ではなく、魂そのものに話しかけていたようだ。


「では、行ってらっしゃいませ。世界――――へ、祝福を」


 そうして俺は、異世界へ飛ばされた。


生きるのが辛くなったら続き書きます。

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