第4話 "異界の者"と20:47 00:00:39
あの見にくい話は今後の改稿で直したいと思います。
「し、失礼ですが"お母さん"との関係を教えてもらっていいですか?」
この質問の返答によって、大きく可能性がかわる。
先ほど強盗だと言ったが、それはあくまで、可能性の話で確定事項ではない。
だが、この返答で全て分かる。
奈々子さんは大学に行ってない。
その事から大学の友達、などと言った場合は確実と断言できる。
(さて、どうだ……!)
『……友達だよ、大学の……』
(来た……! これで確実……!)
「ちょ、ちょっと待っていてください。お母さんに聞いてみますんで」
これで警察に連絡すればいい。そうすればこの男も捕まる。
だが、そう思い通りにいかないこともある。
『それは困るな~……』
瞬間、ドアがもの凄い勢いで階段前に飛んでいった。
私の家は……お馴染みどら焼きが大好きな猫型ロボットを想像してもらえばいいだろう。
それよりも、だ。
「は、はへ?」
何が起きたかわからない私はただただ、呆然としていた。
『ごめんね、お嬢ちゃん。警察呼ばれると面倒だから、勝手に上がらせてもらったよ』
私は怖がっていた。とてつもない怪力に……ではなく、その姿にだ。
それはもう男でも人間でもない。明らかに化け物だ。
「なに……なんなの……?」
足がすくんで床にへたれこんだ。このままではこの怪物に殺される、頭で思っていても体が動かない。
『そっか、人間界の子は”異界の者”の姿を見ると、自分たちとは違うって思って、へたれこむんだった』
「!?」
………まさか、怪物は今"異界の者"と言った。ということは、この怪物はこの世界の者じゃない。
(だとしたら、一体どこの……)
『騒がれると面倒だから、死んでもらうね?』
「い、いや…………!!!!」
逃げたい。だか足が竦んで立ち上がることも出来ない。人間は死を目の前にすると何もできなくなる、そんな事を聞いたことがあるが嘘だろう? と思ったあのときの自分を殴ってやりたい。
『じゃ、さよなら~』
少しずつ男の怪物のような手が伸びてくる。
黒紫色のオーラを纏った手は私の眼に焼き付けるほどのものだった。
もう終わった、そう思ったその時……上から何か降ってきた。
それは私の家を貫き、1階の男の前へ現れた。
その人は、言った。
「さあ、始めようか………」
それはまるで試合のゴングのようだった。
時計の針は20:47 00:00:39を指していた。
亜依の未来を見届けてくれたら嬉しいです。
次回投稿予定日は2018/10/25 19:00頃です。