第1話 願いと出逢い
ぼくなりに頑張って書いたので、最後まで読んでくれると嬉しいです。
"親殺し"
そう呼ばれたのは今は昔。ただ、今でも読んでくる輩はいるが、そのほとんどはからかい目当てでる。
ここは市立先田中学校。私は今3-2教室内にいる。
「はあ……」
私が分かりやすく落ち込んでいると、1人の女子生徒が話しかけてきた。
「どうしたんだよ、亜依」
「美豊ちゃ~ん……」
話しかけてきた生徒の名前は芦原 美豊。私の(数少ない?)友達の1人である。心の内側を話せる唯一の存在だ。
「…それでね」
「うんうん」
「また"親殺し"って言われた~!」
美豊はずっと黙っている。なにか考えるような仕草をしてから、手をポンッと叩いて口を開いた。
「それ言ったの誰だ?」
「? 多分、1年生だと思うけど…」
「そいつはお前の部活動の後輩か?」
「ううん、違うと思うけど…。いきなりどうしたの?」
見ると彼女は、腕の指をポキポキ鳴らしてストレッチ(?)をやっていた。まるでこれから相手を潰すという闘争心を燃やして。
「なあ亜依、そいつは何組か分かるか…?」
「え、ええと…4組だったかな…? 名札に書いてあったと思うけど……」
「そうか」
そう言うと彼女はまさしく不良!といった武器…釘バットや斧などを手に持ち、教室から出ようとした。
「いやいやちょっと待って!!ていうかどこから出してきた!?」
「何だ?」
「そんな危ないの持ってどこ行くの!?」
「なに、ちょっと1-4までな」
私が精一杯不安そうな顔をすると……
「大丈夫。ちょっとやりにいくだけだからさ!」
「ダ、ダメーーーーー!!!」
大声で叫んだ。勿論クラスの人は私を見ている。だが今はそんな事関係ない。
「殺りに行くだけって何!?殺る時点で"だけ"じゃないじゃん!!そもそも何で私に関係してくるとそんなにキレるの?ワケわかんない!!」
それを聞くと美豊は、私の方に寄ってきて抱きついた。
「怒ってる亜依、可愛い…!」
「かっ!?かわ!かわい!?」
この一連の動作を見ていたクラスの人々は「何だ、またいつものやつか」的な顔をして去っていた。
とりえずはこの事件は解決(?)した。
-昼休み-
「もう朝みたいな事やめてよ?」
「大丈夫、もうやんないから……多分!」
こりゃダメだ、そう思った。でも嬉しかったのはまた、事実だ。そう思っていたのが顔に出ていたのか、美豊が私の方を見た。
「別に、私は亜依が"親殺し"とか思ってないし、変なだ名で呼ばれて惨めだから助けてやってるんじゃない。あくまで私は1人の人間として、『牧野 亜依』としてお前をみてるんだ。だから、お前はもっと自分に自信を持っていいんだぞ?」
「ありがとう……!」
彼女の言葉は凄く嬉しい。ずっと友達でいてほしい。
でも……だからといって今の言葉を全て受け止めることはできない。私には荷が重すぎる。
あの日あのとき、私が両親を殺した時のこと、おそらく美豊は私が両親を殺したことを自分のせいだと思っているのだろう。なぜなら、こんな考えはよくないが彼女がのとき、「悪魔はいる」と言っていれば、きっと私は両親を殺さなかったと思う。
だけどその全てが彼女のせいじゃないのは誰が見ても分かるだろう。この事件は完全に私のせいだ。私があのとき感情のまま動いていなければ、両親の話を少しでも聞いておけば……。
「お、おい。大丈夫か?」
「へ?」
私は涙を流していた。
それを心配して、美豊は私に声をかけてくれた。
「だ、大丈夫。それより今日編入してきた人いるじゃん? 天使さんだっけ?」
「ああ、あのちょっと暗い人か…」
「その人さ、なんか…」
「ん?どした?」
私は美豊の後ろ、窓際に目が吸い寄せられた。そこには、窓から入ってきた男子生徒がいた。
このときこの瞬間、私は知るよしもなかった。この人と出会ったことでこの先の運命が変わっていったことを…。
この一瞬が、私の未来を大きく変えることになるなど、想像も出来なかった。
これからも連載する予定なので、今後ともよろしくお願いいたします!