第8話 叫び声とビデオ通話
そのうち魔寅と他の女キャラで女子会でも開こうと思います。
「ただいま帰りました~」
家のドアを開いてリビングに入る。
「おかえりなさい、亜依ちゃん」
キッチンにいる奈々子さんが返事をした。
私はカバンを投げ捨てるようにリビング前のテーブルに置くと、椅子に座って「ふぅ~」と一息ついた。
「もうすぐ夕御飯できるから、少し待っててね」
それなら、と言い私は2階にある自室に入った。
私は意味もなくスマホのニュースアプリを開いていた。
(へぇ、野球の山田選手、引退するんだ。あ、これ美豊ちゃんが好きな漫画だ。アニメになるんだ)
ふと、さっき起こったことをもう一度頭にフラッシュバックさせる。
(……ん? 待てよ。私は夢階君に助けられたということは……)
「……あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
外に居ても聴こえるような大きい絶叫が響いた。
『……どんだけお前は夢階のことが好きなんだ!!!??』
一回落ち着こうと考えた亜依は、美豊とのビデオ通話をしようと考えた。物事の経緯を伝えると、この反応だ。
「私もビックリしたよ!! ビックリしすぎて絶叫しちゃったよ!!!」
『前回の化け物事件で助けてくれたのが夢階で、今回襲われた時にも助けてくれたのは夢階に見えた!? お前を助けてくれるのは夢階だけか!? 恋愛小説の読みすぎで完全に妄想しかできなくなった奴よりヤバいぞ、お前!!!』
「うっ、そこまで言わなくても……」
『控えめに言ってもヤバいぞ……!!』
確かに亜依自身でもそう思うところはあるが、他人から見るとそんなにもヤバく見えるとは思っていなかった。
『……とにかく明日学校で全部話せ、詳しく!! 解ったか!?』
「は、はい……」
なぜか説教されたように思えるのは私だけかと思う亜依であった。
先ほど、奈々子は"もうすぐ夕御飯ができる"と言っていたのでそろそろ頃合いかと思い、1階に降りてきた亜依だが、リビングのドアを開けると、青ざめた顔をした奈々子が椅子に座っていた。
「……どうしたんですか?」
声をかけるとバッ、と顔をこちらに向け足早に亜依の目の前まで来てこう言った。
「大丈夫!? 学校でいじめとか受けてない!?」
「えっと、大丈夫ですけど……」
押しが強すぎる奈々子に驚き、しどろもどろしているのが奈々子の目には何か隠しているようにみえたのか、念押しして聴いてきた。
「本当に大丈夫!? もし本当なら私、学校に行って先生にお話聞くけど!?」
「ほ、ホントに大丈夫だから! さ、ご飯ご飯!!」
亜依はテーブルにおいてある和食セット風のご飯にかぶりついた。知らないうちにお腹が減っていたらしい。
このままじゃいけない、なぜかそう思う亜依であった。
次回投稿予定日は2018/12/27 19:00頃です。
クリスマスに、特別編を投稿しようとおもいます。