第7話 上と逃走
最近の中学生って怖いや。
「○○ちゃんマジウザくない?」
「シャシャるなよ」
あら怖い。ちなみに「シャシャる」とはでしゃばるなよ(調子に乗るなよ)とのことです。
いじめなどの犯罪被害も多いようですし、もうちょっと言葉使いを気ぃつけやよ……。
「え……?」
「ああ!?」
私には何が起きたかよくわからず、ただ見上げている。彼/夢階明日魔の方角にちょうど太陽があり、彼の表情は残念ながらわからない。
「女の子に暴力とはいい度胸だな!!」
「へ、うるせぇガキが……!」
「そのガキに見下されている気分はどうだ?」
「! てめぇは殺す……!!」
肉眼でも解るかのように殺意を剥き出しにしている暴力男はとてつもない顔で彼を睨んでいた。
「殺せるもんなら殺してみな、ベロベロベー♪」
「卑怯な! 降りてこい!」
「嫌に決まってんだろ何いってんだ??」
「そろそろまじで殺すぞ……!」
まるで小学生のような会話に私には
(え、これ私逃げていい感じ? でも今逃げたら夢階君が追われちゃうし……どうしよ)
と考えていた。
ふと、見上げると夢階はスマホ片手になにやらしていた。その後、スマホを耳に当てた。
「あ、もしもし警察ですか? はい、はいそうです。高校生位の男性が路地裏で……はい、はい、わかりました」
通話が終わったのか、彼はスマホをポケットにしまった。
「たった今、警察に通報した。後3分で来るらしいぞ」
その瞬間暴力男から殺意が消えていくのを感じ、視線をそちらに促す。
「ぎ、ぎゃあああああ!!!!!」
男は叫んで逃げ出した。まるで赤子のように……。
その後、男は全く姿を現さなかった。
一息ついたので、夢階に礼を言おうとしたが、振り向いた時にはもういなかった。
「……ありがとう、夢階君……」
その言葉はもういない夢階に対して言ったことなのか、単なる独り言なのかは私にもわからない。
前書きが凄く長いため、後書きが短く感じる件について。
今回は少し物語が短めなので、次回投稿予定日を一週間早めようと思います。
次回投稿予定日は2018/12/20 19:00頃です。