プロローグ
プロローグです。よろです。
天使と悪魔はいるのだろうか。
その疑問を抱いたのは私が齢5歳と6ヶ月の時のことである。
「手なし娘」という童謡がある。
その話の内容は、悪魔と契約を結んで3年後にまた会い契約代償を渡す、という話だ。その後もこの話は続くのだが、また今度話そう。
この話を読んだあと、私は両親に聞いた。
「てんしとあくまはいるの?」
答えはすぐには来なかった。義務教育許容範囲にも達していない完全純真無垢の子に聞かれれば、当たり前の反応だ。
両親は、考えるようにお互いを見合って、答えを絞り出すように言った。
「いるよ、天使と悪魔は」
何故こんな質問をしたか…。今となってはわからない。
現実社会の現状を見ていればそんな化け物のようなモノが存在するはずがない。もし存在するのならば今、世界を支配しているのは確実にその化け物たちだ。
無論、幼稚園児がこんな考えが出来るとは到底思えない。
天使と悪魔、その疑問はまわりが思っているよりもかなり深く広いモノとなってしまっていた。
時は7歳と3ヶ月。小学2年生の冬、思いきって、友達に聞いてみた。
「ねぇ、天使と悪魔って居ると思う?」
その答えは至って安直端的だった。
「え、いないよ」
ただそれだけ。しかし、私にとっては恐るべき真実を知った劣等感がすごく残る。私は異常、相手は正常。
この瞬間私の頭にあったのはただ1つ…。
"お父さん、お母さん。よくも私をだましたな…!"
次回から第1章となります。つまらないかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします!