4・金縛り
今回は皆さんも経験があると思います。
寝てるとよくあるんですよね、金縛り。
なんか変に疲れたときとか、お酒を中途半端に飲んだ時とか。
寝ているのか起きているのか全く解らない状態。
そんな中で目を開けることもできず、声も出せない。
しばらく待っているとやっと声が出せる。
「うわっ」とか「はあっ」とか。
そこでやっと体が動かせるようになり、ガバっと飛び起きてしばらく荒い息を吐きながらどうにか落ち着こうとする。
で、落ち着いたらまた眠るということ。
皆さんも経験されたことはあるかと思います。無い人のほうが多いでしょうか?
別に悪い夢なんか見ていない。
本当に真っ暗。
科学的にもメカニズムは解明されているんですが、やっぱりなってみると怖いものですよね。
次の日起きた時なんかは気分は最悪の一言に尽きる訳です。
私の場合、昼寝なんかでもたまーに起きるんです。
余計に疲れちゃって、何しているんだか解らなくなっちゃう。
最近は前兆が解っちゃって、トイレに行きたいのに体がいうことをきかない。
そこで目が覚めたと思ったら、まだ体が動かない。
また目が覚めたはずなのにまだ動かない。
それを何回か繰り返して、ようやく目が覚めるってな感じです。
まあ、大体深夜2時~3時の間位ですかね、そういうのが起きるのは。
で、よくあるのが幻聴だったり幻覚だったり。
そういうのも科学的に一応解明されてはいるんですけども、起こった直後はパニックなんかになっちゃって全く解らずに呻くわけなんです。
多分にあんな状況で冷静になれる人なんて居ないと思うんですけどね。
見たこともない人の顔がもう至近距離にいたり、体中を手が掴んでいたりと。
バリエーションには事欠かないですね。
たまーに動かないと思っていると、猫が足元で寝ていたりするだけなんですよね。
あれは何かほっこりしますが。
んで、ここからが少し奇妙な話なんです。
うちの母が体験した話。
母も昔からよく金縛りにあっていて、その中でも特に変わった話をしようと思います。
昔、住んでいた場所の時になります。
夜中やはり母が金縛りにあったらしいんです。
その時は呻き声しかあげれずに動けなかったそうなんです。
目も開けることが出来ない。
ぐぅーって体が押し付けられている状態、とでも言えばいいんですかね。
変な汗がじわーっと出てくる。
ようやくのところで目だけ開けることが出来たそうです。
すると目の前に、もう至近距離のところに顔が見えたそうです。
その顔は、ケロイド状の焼けただれた顔。
それがこちらを瞬きもしないでじっと見つめていたそうなんです。
悲鳴も上げることすらできない。
ただ、ケロイド状の顔と見つめ合ったまま。
父がそばで寝ていたそうなんですが全く気付いていない。
目をそらそうにも身動き一つとれない。
そして、体感で10分程度ですかね。
その顔が何か呟いてフッと消えたそうです。
すると、今までの圧迫感が嘘のように消えて動けるようになったそうです。
夢と現実がごちゃごちゃになったんだと思って、また寝たそうなんです。
朝、私が起きた時その話を聞いて幼心では「ふーん」としか思わなかったと今では思います。
よく金縛りにあっていたらしいのであまり気にしませんでした。
後年調べてみたんですがね、その住んでいた場所付近では戦中ものすごい空襲があったとか。
それこそ一帯が焼け野原になるほどに。
まあ当然大量の死人も出る訳で、それの処理に追いつかなくてあたりは本当に地獄絵図だったそうです。
もしかするとそんな話を聞いていたからイメージがあったんでしょうね。
私は引っ越すまで金縛りとは無縁の人間でしたから、そんな話にわかには信じられなかったというのが事実ですから。
でも、合うようになってからは何が現実なのかという事が解らなくなりました。
だってそれは、本人の中では現実なのですから。
最近は動物の幻覚が多いですかねぇ。